研究課題/領域番号 |
19K09756
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
鮫島 浩 宮崎大学, 学長 (50274775)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 周産期脳障害 / 低酸素虚血 / 硫酸マグネシウム / プレコンディショニング / 低酸素虚血性脳障害 / 胎児 / preconditioning / マグネシウム / 動物実験 / 耐性 / 脳障害 |
研究開始時の研究の概要 |
マグネシウム(Mg)は発達期の脳に対して脳保護作用を有する。これまでその効果は主にストレス直前の投与に限って検討されてきた。近年、妊娠中の特定の期間(therapeutic window)にMgを投与することで、その後の低酸素ストレスに対するpreconditioning効果を示す可能性が臨床的に示されつつある。そこで今回、周産期脳障害モデルであるラット新生仔のLevine-Riceモデルを用い、Mgの脳保護作用の中で、preconditioning作用の有無を検討し、thrapeutic window、容量依存性の有無を明らかにする。
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研究成果の概要 |
低酸素虚血に対するマグネシウム(Mg)のプレコンディショニング効果は臨床で示唆されているが、基礎的動物実験で確証されていない。ヒト胎児脳障害モデルである7生日ウイスターラットに8%低酸素虚血負荷を加えて脳障害を作製した。Mgは低酸素負荷24時間前に腹腔内に投与し、90分間の低酸素虚血負荷後、14生日に脳組織検査を行なった。その結果、重度脳障害+死亡の頻度は、Mg低濃度では85%、Mg高濃度では56%であり、2群間に有意差p<0.03を認めた。以上から低酸素虚血に対するMgのプレコンディショニング効果が実証されたが、前投与時期の詳細な検討が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分娩前後に起こる脳障害は解決すべき大きな課題である。硫酸マグネシウム(Mg)は、切迫早産や妊娠高血圧症に使用されており、臨床的には児の脳障害を予防する可能性が示されている。妊娠中に一度投与されると、その後の分娩時にMg濃度が正常化していても脳保護作用を示す可能性を我々は臨床的に捉えた。そこで動物実験で実証した結果、少なくとも24時間前、臨床では数週間前までにMgが投与されていれば、その後の分娩時に低酸素虚血負荷があっても脳障害をある程度軽減できることが判明した。Mg前投与の治療時期に関して更なる検討が必要であるが、予防的投与で脳障害が半減する可能性がある。
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