研究課題/領域番号 |
19K09773
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
三浦 広志 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (80375302)
|
研究分担者 |
佐藤 朗 秋田大学, 医学部附属病院, 准教授 (50361225)
三浦 康子 秋田大学, 医学部, その他 (80535849)
赤平 沙恵子 (亀山 沙恵子) 秋田大学, 医学部, その他 (20610819)
田中 由浩 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90432286)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 早産予知 / 子宮頸管硬度測定 / 生体硬度計 / 音波 / 切迫早産 / 子宮頸管 |
研究開始時の研究の概要 |
反射音による硬度測定法は低エネルギーで胎児への影響も少なく再現性が良い。本研究では、指装着型センサーを内診指に装着して子宮頸管硬度を評価し、子宮頸管硬度およびその経時的な変化が早産時期と相関するかを検討する。 反射音による硬度測定法は安全、低コスト、簡便であるため臨床導入が速やかであり、迅速な普及が可能である。本研究によって、妊婦に負担が少ない早産予知のスクリーニングが可能となる。
|
研究実績の概要 |
反射音は低エネルギーで胎児への影響も少なく再現性が良い。本研究は、反射音による硬度測定技術を導入した、指装着型センサーを内診指に装着して子宮頸管硬度を評価し、子宮頸管硬度およびその経時的な変化が早産時期と相関するかを検討する。そのために、①指装着型センサーの機器改良・精度向上、②切迫早産症例と対照群へ、子宮頸管に対する超音波検査および反射音装置で硬度評価、③早産診断能に優れるか検査値の比較、を行う。以上により、簡易で非侵襲的な反射音を用いた子宮頸管の硬度評価により、より客観的な早産管理が可能となる。 本研究は特定臨床研究に該当するため、研究に先立って、本研究の主旨を特定臨床研究審査委員会に諮り承認を得た。本年度は研究計画に従い、システムの原理有効性を確認しシステムの性能仕様(センサー部で用いるシリコンゴムの硬度やサイズ、配置)の決定を行った。 妊娠37週以降の妊婦20名程度に対し、帝王切開時の執刀前に指先にセンサーを装着して内診を行った。子宮頸管のどの部分を押すと硬度が正確に測定できるかを検討したところ、子宮頸管内側から外側に向けて力をかけると良く、再現性も良好であった。 センサ装着することで指の触覚が損なわれるため、シリコン部を薄くすること、指腹を露出させることで触覚を保つ工夫を行った。さらにシンプルな解析を可能とするように触覚センサ部位を3つから2つに減らした新形状とした。現在症例を蓄積して感度を検討中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
特定臨床研究審査委員会に諮り承認を得た。 令和元年度は研究実施計画に従い、システムの原理有効性を確認し、システムの性能仕様(センサー部で用いるゴムの硬度やサイズ、配置)の決定を行った。具体的には、妊娠37週以降の妊婦20名程度に対し、帝王切開時の執刀前に指先にセンサーを装着して内診を行った。子宮頸管のどの部分を押すと硬度が正確に測定できるかを検討したところ、子宮頸管内側から外側に向けて力をかけると良く、再現性も良好であった。測定に起因する、母児に対する有害事象は認められなかった。また、本技術に関連する知的財産権の申請を行った。 令和2年度は、研究実施計画に従い、妊娠22週以降36週未満の切迫早産妊婦と対照群として同時期の切迫症状のない妊婦各30人程度に対し、妊婦健診に合わせ2週程度の間隔で経腟超音波検査および指装着型の反射音装置で硬度評価を施行する予定としていた。しかしながら、測定システムのマイコン部が故障し再作成の期間を要したこと、感度上昇と内診に適した形状にするべくセンサーの改良を行ったため、妊婦への測定は数人に限られた。 これと並行して、硬度計が描く波形を機械学習させることによって、頸管硬度に従った硬度波形分布パターン作成を試みた。得られた研究成果を、研究分担者が学会発表及び論文投稿した。 令和3年度は、引き続き妊娠37週以降の妊婦20名程度に対し、帝王切開時に子宮頸管硬度測定を行った。マイコン部の再故障と、COVID19感染に伴い分娩予定者の減少で帝王切開例の少なさから、測定例は十分な数とはならなかった。 令和4年度は、指の触覚が損なわぬよう、シリコン部を薄くすること、指腹を露出させることで触覚を保つ工夫を行った。さらにシンプルな解析を可能とするように触覚センサ部位を3つから2つに減らした新形状とした。現在症例を蓄積して感度を検討中である。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、研究実施計画に従い研究を進めていく。具体的には、妊娠22週以降36週未満の切迫早産妊婦と対照群として同時期の切迫症状のない妊婦各30人程度に対し、妊婦健診に合わせ2週程度の間隔で経腟超音波検査および指装着型の反射音装置で硬度評価を施行する。 また、切迫早産症例と対照群それぞれから得られた所見を比較することで、どのパラメータが早産と最も相関するか統計学的手法を用いて明らかにする。具体的には、子宮頸管長と推定硬度、硬度の経時的変化率に関してはROC曲線を作成し、それら計測値が妊娠継続期間(日数)と相関するか明らかにする。内子宮口開大に関しては、その有無による早産リスクが高まるかRelative Riskを算出する。研究成果が得られたら、さらなる学会発表と論文投稿を行っていく予定である。
|