研究課題/領域番号 |
19K09776
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 東京医科大学 (2021-2022) 金沢大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
小野 政徳 東京医科大学, 医学部, 准教授 (70348712)
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研究分担者 |
毎田 佳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (20397219)
藤原 浩 金沢大学, 医学系, 教授 (30252456)
大黒 多希子 金沢大学, 学際科学実験センター, 教授 (30767249)
安藤 仁 金沢大学, 医学系, 教授 (50382875)
藤原 智子 京都ノートルダム女子大学, 現代人間学部, 教授 (60310744)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 概日リズム / 時計遺伝子 / 末梢時計 / 子宮 / 概日時計 / 朝食欠食 / 月経困難症 / 妊娠高血圧症候群 / 生殖 / 子宮筋腫 / 子宮内膜症 / 摂食リズム / 生活習慣 / 子宮平滑筋 / 子宮収縮 / 産婦人科疾患 / 子宮筋 |
研究開始時の研究の概要 |
概日時計による概日リズムは各臓器内の末梢概日時計と同期して基本的な生命活動を維持しており,その障害は臓器の機能低下をきたすことが知られている.一方で,女性は月経周期など中・長期にわたる生殖リズムを有しており,これに連動して子宮や卵管の収縮様式が変化する.中でも子宮の収縮は月経,妊娠や分娩現象に直接関わっており,その異常は月経困難症,子宮内膜症,着床障害さらに早産などを誘発すると推察される.我々は概日時計が生殖臓器の運動機能を制御する可能性を推定し,「概日リズムの乱れは子宮収縮リズムの 異常を誘導して産科婦人科疾患の発症を誘発する」という新しい仮説を掲げてこれを検証する.
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研究成果の概要 |
我々はマウス子宮で時計遺伝子群が概日リズムを持って発現している事を確認した。また、マウスの時間制限給餌を行い、子宮概日リズムが空腹時間直後の摂餌によってリセットされることを見出した。さらに、子宮特異的にBmal1をノックアウトしたBmal1 cKOマウスの妊娠では全例が流死産に至り生仔を得られなかった。本研究では雌性生殖器官における時計機能が生殖機能に影響を及ぼすことを証明した。最後に、我々はコホート研究による臨床研究で、若年期に月経痛を伴っていた妊婦は、妊娠初期の胎盤形成異常が要因とされる妊娠高血圧症候群の罹患率が高いことを報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、概日リズムの乱れと月経困難症、子宮筋腫、子宮内膜症、妊娠高血圧症候群などの産婦人科疾患との関係を明らかにするための研究を行った。また概日リズムの乱れによる新たな病態生理を提言するために、子宮特異的な時計遺伝子改変マウスを作出し解析した。加えてモデル動物のみならず、ヒト検体を用いた実験系、そしてコホート研究を基にした臨床研究を行い、多角的に概日リズムの乱れと産婦人科疾患の関連について解析した。本研究により、子宮における末梢時計機能が生殖機能に関わっていることが明らかとなった。少子化が極めて深刻な本邦において、生殖・周産期予後改善の観点から医学的意義は重要な成果と考える。
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