研究課題/領域番号 |
19K09781
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
松原 圭一 愛媛大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (80263937)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 妊娠高血圧症候群 / エクソソーム / 絨毛細胞 / 高血圧 / 絨毛外栄養膜細胞 / exosome / HMGA1 / western blotting / proteosome / 妊娠高血圧モデルマウス / トロホブラスト |
研究開始時の研究の概要 |
妊娠高血圧腎症は,母児ともに生命に関わる重篤な疾患である。妊娠高血圧腎症の初期の病態形成は,絨毛外トロホブラスト(絨毛細胞)の増殖・浸潤障害に伴う胎盤形成不全である。high mobility group AT-hook 1(HMGA1)は癌細胞の増殖・浸潤に関与しており,元来,細胞の核内においてのみ機能を発現していると考えられてきた。しかし,我々の研究によって,HMGA1は核外移行だけでなく,妊娠高血圧腎症の発症前,妊娠初期において着床部位に放出されていることが発見された。しかし,それは微量であり,エクソソームによる細胞外への蛋白輸送に依存していると考えられる。
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研究成果の概要 |
絨毛外栄養膜細胞(EVTs)から上清に放出されたexosomeをExoQuick-TCで抽出することができた。EVTsにおけるHMGA1は胎盤形成に関与し,妊娠高血圧症候群(HDP)患者由来EVTsでは細胞外に放出され遠隔臓器に運搬されることによって病態形成に関与している。抽出したexosomeに対してproteosome assayを行ったところHMGA1蛋白の発現が増加していた。さらにPrincipal component分析・Protein-protein interaction ネットワーク解析によって複数個のハブ蛋白がHDPの病態形成に関与していることを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によってHMGA1が妊娠高血圧症候群の病態形成に重要な役割を果たしていることが分かった。さらにHMGA1は絨毛細胞の核から細胞質内・細胞外に放出されて病態形成に関与していることがわかった。これは世界的にも報告のない発見であり,学術的に非常に重要な意味を持つ。 HMGA1が妊娠高血圧症候群の病態形成に関与しており,特にHMGA1の核外そして細胞外への放出が重要であり,この過程をdeoxycholic acid(DCA)がWNT/Cat系を介して促進することが分かった。従って,これらの作用をさらに解析することによって病態改善の手段を手に入れることができるかもしれない。
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