研究課題/領域番号 |
19K09784
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
池崎 みどり 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40549747)
|
研究分担者 |
井原 義人 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70263241)
岩橋 尚幸 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (50750907)
山本 円 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (70596973)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 小胞体ストレス / 分子シャペロン / カルレティキュリン / 妊娠高血圧腎症 / 胎盤形成不全 / シンシチウム化 / 糖タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、小胞体ストレスによりCRTが小胞体から減少した場合を想定し、①タンパク質の細胞内輸送に焦点を絞り、シンシチウム化も含めた末梢絨毛形成におけるCRTの役割の解明を目指す。また、②細胞表面に局在するCRTおよび③細胞外に分泌されたCRTがシンシチウム化に与える影響を明らかにすると共に、④臨床検体を用いた解析を行いCRTの病態への関与を検証する。
|
研究成果の概要 |
妊娠高血圧腎症(PE)は重篤な妊娠合併症であり、胎盤形成不全を主病因とする。小胞体分子シャペロンカルレティキュリン(CRT)は、胎盤形成不全の危険因子である小胞体ストレス下では細胞外に放出される。本研究は小胞体ストレスが胎盤形成に及ぼす影響の解明を目的とした。まず、CRTタンパク量はPE患者血清中で有意に上昇していた。また、小胞体ストレス下で細胞性栄養膜細胞モデルBeWo細胞はCRTを細胞外へ放出し、細胞外のCRTによりBeWo細胞のE-カドヘリンの細胞膜への局在化が低下し、シンシチウム化が抑制されることを見出した。以上より、小胞体ストレスが胎盤形成不全を引き起こす新しい分子機構を解明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PEは母児の予後に大きな影響を与える重篤な妊娠合併症であり、確実に治療するには妊娠を終了するしかない。本研究は胎盤形成不全を主病因とする妊娠合併症の新たな治療標的を示唆するものであり、PEの治療戦略の開発に寄与すると考えられる。また、本来小胞体で機能するCRTが細胞外に放出されること、細胞外に放出されたCRTが糖修飾を受けるE-カドヘリンの膜局在化に影響したことから、CRTの小胞体外における新しい機能の解明にも成功した。本研究成果によりタンパク質品質管理の異常と胎盤形成不全という異なる分野の相互理解が深まることが期待される。
|