研究課題
基盤研究(C)
多くの腫瘍では、好気条件下にもかかわらず、酸化的リン酸化を抑制し、乳酸生成に向かう糖代謝(解糖系)およびアミノ酸合成を亢進させている。子宮体癌は疫学的に肥満・インスリン抵抗性・耐糖能異常がリスク因子で、発癌・増殖に糖・アミノ酸代謝異常が関与している可能性があるが、明らかではない。本研究は、子宮体癌培養細胞株に代謝関連遺伝子のsgRNAライブラリーを導入し、in vivoでゲノム編集を用いた機能喪失スクリーニングを行い、子宮体癌の増殖に関連する代謝プロファイル異常を同定する。さらに、メトホルミンや酸化的リン酸化阻害剤との相互作用を明らかにし、癌局所代謝をターゲットにした新たな治療戦略を構築する。
糖尿病治療薬メトホルミンは、子宮体癌に対し増殖抑制効果が得られている。そこで、子宮体癌培養細胞株にメトホルミンを添加し、マイクロアレイで遺伝子発現変化を検討した。メトホルミン添加でGIF、FAM20A、CDRT15、BACH2での発現増加、SLC12A7、C8orf37-AS1、ZCCHC1での発現低下が認められた。メトホルミンの作用に一定の知見を得ることができたが、代謝に関連する共通の遺伝子発現変化は確認できなかった。今回、ゲノム編集を利用した機能喪失スクリーニングでは、子宮体癌に関連する代謝異常は同定できなかった。子宮体癌発癌や増殖に代謝異常が関与している可能性はあり、今後検討を続ける。
肥満や糖尿病とも関連し子宮体癌が増加傾向にあるが、癌における糖代謝、アミノ酸代謝と増殖の関連性を解明することは子宮体癌の予防戦略に結びつく.本研究では、残念ながら子宮体癌に関連する代謝異常に対し有意な見解を得ることはできなかったが、糖尿病治療薬メトホルミンの体癌に対する作用が推測された。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
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