研究課題/領域番号 |
19K09804
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
矢幡 秀昭 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30404065)
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研究分担者 |
片山 佳樹 九州大学, 工学研究院, 教授 (70284528)
森 健 九州大学, 工学研究院, 准教授 (70335785)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 子宮がん / センチネルリンパ節 / 新規トレーサー |
研究開始時の研究の概要 |
センチネルリンパ節(SLN)とは腫瘍から最初にリンパ流が到達するリンパ節で、子宮がんにおいてもSLNを同定し、術中に転移の有無を診断することで、個別にリンパ節郭清を省略することが可能である。術中にSLN同定の精度が上昇し、転移がなかった症例に 対しては安全にリンパ節郭清術が省略可能となる。子宮癌手術の際の骨盤リンパ節郭清術は手術時間の延長、出血量の増加のみならず術後の下肢のリンパ浮腫、リンパ嚢胞、下肢神経障害等といった合併症があり、リンパ節郭清術を安全に省略できることは患者にとって大きなメリットである。そこで我々はSLNの診断精度をあげる新規トレーサーを開発することとした。
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研究成果の概要 |
我々はセンチネルリンパ節生検はRI法を用いて施行しているが、放射性同位元素を使用するため、施行施設は限られる。また、腹腔鏡手術を中心に施行されている蛍光法ではインドシアニングリーン(ICG)の分子量が小さく、一次リンパ節を誤認する可能性がある。そこで、新規トレーサとしてICGにフィチン酸を結合させ、リポソーム化した新規トレーサーを作成した。新規トレーサーをマウスに投与し、リンパ節への滞留時間が長いことが確認できた。また、新規トレーサーを用いてブタによる動物実験を行い、ブタの骨盤リンパ節でも同定できることが確認できた。今後はヒトへの応用を進めて行きたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
子宮がんの手術で進行期や術後療法の必要性について確認するためにリンパ節郭清が行われるが、術後にリンパ浮腫などの患者QOLを損ねる原因となる。センチネルリンパ節生検は癌からのリンパ流が最初に流れつくリンパ節であり、そこに転移がなければ、その他のリンパ節にも転移がないと考えるセンチネル理論がある。本研究で作成した新規トレーサーは放射性同位元素を用いなくても使用でき、従来の蛍光法に用いられるインドシアニングリーンよりも分子量が大きいため、リンパ節への滞留時間も長く、適切なセンチネルリンパ節同定に有用な手法となると思われる。
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