研究課題/領域番号 |
19K09818
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
三田村 卓 北海道大学, 大学病院, 助教 (90625641)
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研究分担者 |
渡利 英道 北海道大学, 医学研究院, 教授 (10344508)
畑中 佳奈子 北海道大学, 大学病院, 特任講師 (10399834)
天野 虎次 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (20374514)
畑中 豊 北海道大学, 大学病院, 特任准教授 (30589924)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 卵巣がん / 血管新生阻害薬 / ベバシズマブ / CCR2 / 併用療法 / CCR2阻害薬 / 前臨床試験 / 血管新生阻害 / 卵巣癌 / 血管新生阻害療法 / VEGF / 薬剤耐性 / PDX |
研究開始時の研究の概要 |
癌細胞が分泌する血管新生誘導分子VEGFに対する抗体であるベバシズマブ(BEV)は、卵巣癌の治療において有効であるが、長期投与により耐性が発生して悪性度の高い腫瘍に形質が変化すると、急速に増悪することがある。そのため、BEV耐性の発生を抑えて長期投与を可能とする治療法が待ち望まれている。先行研究により、BEV耐性にはがん細胞が分泌するMSMPタンパクと血管内皮細胞上の受容体であるCCR2により構成される内分泌経路の活性化が関わっていることがわかった。 本研究の目的は、①BEVとCCR2阻害薬の併用効果を動物実験で証明する、②本内分泌経路の活性化に関わる患者の遺伝子学的背景を解明することである。
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研究成果の概要 |
免疫不全マウスを用いて卵巣がん患者の連続した3つの移植腫瘍モデルを作製し、ベバシズマブ単剤治療に対するCCR2阻害薬の上乗せ効果を検証した。ベバシズマブとCCR2阻害薬との併用療法(BEV/CCR2i)は、ベバシズマブ単剤治療(BEV)と比較して有意な腫瘍増殖抑制効果を示し、その機序は血管新生阻害効果の上乗せ効果、あるいは腫瘍細胞CCR2B-MAPK経路の直接的な阻害効果によるものであった。これらの結果はBEV/CCR2iの抗腫瘍免疫非依存的な相乗効果を立証しており、臨床応用が望まれる。特に漿液性がん患者において有用と考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血管新生阻害薬であるベバシズマブは進行再発卵巣がんに対する標準治療として用いられるが、薬剤耐性が発生するために一時的な治療効果しか得られない場合が多い。我々は、患者から摘出した腫瘍をマウスに移植してベバシズマブ/CCR2阻害薬併用療法の治療効果を検討し、併用療法が有意に優れていることを発見した。また機序が、ベバシズマブによる血管新生阻害作用の上乗せ効果のみならず、腫瘍細胞に対する直接的な増殖抑制効果もあることを発見した。本研究の成果は、臨床第2相試験を実施する上での科学的根拠なると思われる。
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