研究課題/領域番号 |
19K09837
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
上川 篤志 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 研究技術員 (60534253)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ARID1A / 卵巣明細胞癌 / 癌抑制遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣明細胞癌は近年わが国で増加傾向にあり、子宮内膜症に由来すると考えられている難治性の悪性腫瘍である。本研究はその卵巣明細胞癌を研究対象とし、臨床応用に結びつく、卵巣明細胞癌発症の基盤となる分子メカニズムを解明することを目的とする。 卵巣明細胞癌の発症に広く関与するとされる「がん抑制遺伝子」であるARID1Aは、卵巣明細胞癌の約半数において突然変異により遺伝子の発現が消失している。そこで本研究は、このARID1A遺伝子の発現消失によりがん化へと至るプロセスを「細胞競合」とよばれる細胞社会制御機構の観点から、がんの初期状態を再現した培養モデルを駆使することによって明らかにしたいと考えた。
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研究実績の概要 |
ARID1A遺伝子変異による機能喪失は、多くのがんで頻繁に見られる現象であり、ARID1Aは真のがん抑制遺伝子であることがわかってきた。本研究は、未だ不明な部分の多いARID1Aのがん抑制機能の中でも、細胞増殖制御と細胞競合との関係という新たな概念に焦点を当てた解析から、ARID1A発現が消失したARID1A変異細胞がどのように周囲の正常細胞と相互作用しながらがん化へと至るのかについて解明することを目的としている。令和5年度は引き続き、これまでに樹立したARID1Aをノックアウトさせたヒト不死化子宮内膜上皮細胞と正常細胞との間で起こる様々な条件下における細胞競合現象のタイムラプス観察を継続した。さらにこれまでに作製した内在性のARID1A遺伝子発現を促進あるいは抑制するような細胞株や、ARID1A変異ヒト卵巣明細胞がん細胞株のARID1A遺伝子を修復しARID1A発現を回復させた細胞株を用いて同様のタイムラプス観察を行った。今年度は昨年度に引き続き、これらARID1A発現を様々に変化させた細胞株を用いて、様々な条件で正常細胞と共培養させたときのみに起こる分子変化や境界面で起こる変化の解析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に引き続き、ARID1A発現を様々に変化させた細胞株を用いて、様々な条件で正常細胞と共培養させたときのみに起こる分子変化や境界面で起こる変化の解析を行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き、これまでに作製してきたARID1A遺伝子の発現を様々に変化させた細胞株を用いて正常細胞とARID1A変異細胞を共培養した場合にのみ起こる変化を同定することにより、ARID1A変異細胞の癌化過程を解析する。
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