研究課題/領域番号 |
19K09844
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大島 一男 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (80832930)
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研究分担者 |
太田 有美 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (00598401)
佐藤 崇 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30756002)
今井 貴夫 奈良県立医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80570663)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 中耳真珠腫 / 骨破壊 / 破骨細胞 / 真珠腫性中耳炎 / RANKL / 真珠腫 / 中耳炎 |
研究開始時の研究の概要 |
真珠腫性中耳炎は骨破壊により重篤な合併症を引き起こすが、その骨破壊の機序は解明されていない。我々はこれまでに臨床検体を用い、真珠腫に接する骨表面上に破骨細胞が多数存在し、更に真珠腫内の線維芽細胞が破骨細胞誘導因子(RANKL)を発現していることを見出した。また、RANKL発現を促進するIL-1β、IL-6、TNF-α、PGE2等の発現が真珠腫において対照群より高いことを確認した。本研究では、真珠腫における骨破壊の機序として上記4種の物質に着目し、in vivo系、in vitro系を用いてシグナル伝達経路の活性化・抑制実験を行い、真珠腫による骨破壊を予防する薬剤の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
ヒト真珠種検体の単細胞シーケンスを行い、inhibin βA(INHBA)を高発現する 真珠腫特異的な線維芽細胞のsubsetを同定した。次にINHBAの二量体であるactivin Aが破骨細胞分化を促進することをin vitroで確認し、真珠腫モデルマウスで線維芽細胞のINHBAの発現を欠損させることで破骨細胞分化が減少することを確認した。これらのことから、ヒトの真珠腫組織に特異的なactivin A産生線維芽細胞は、局所的な破骨細胞分化を誘導することにより骨破壊を引き起こすことが示唆され、治療ターゲットとなる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中耳真珠腫は近接する側頭骨やその内部構造物を溶解しながら進展しする炎症性の疾患だが、骨破壊の機序は明らかになっていない。唯一の治療は外科的な切除だが、未だに有効な保存的治療手段はない。今回、我々は真珠腫線維芽細胞によって局所的な破骨細胞分化が誘導されることを明らかにし、線維芽細胞が保存的治療のターゲットになり得ることを示した。
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