研究課題/領域番号 |
19K09845
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
前田 幸英 岡山大学, 大学病院, 講師 (00423327)
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研究分担者 |
假谷 伸 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (10274226)
菅谷 明子 岡山大学, 大学病院, 助教 (20600224)
高原 潤子 岡山大学, 医学部, 技術専門職員 (80448224)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 蝸牛 / 急性音響性障害 / 遺伝子発現解析 / 免疫機能 / 炎症機能 / Fkbp5 / インターフェロン / インフラマソーム / 次世代シークエンサー / RNA-seq / DNAマイクロアレイ / リアルタイムRT-PCR / 長鎖非コードRNA / インターフェロン誘導遺伝子 / デキサメタゾン / 聴性脳幹反応 / 急性感音難聴 / 内耳免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
急性感音難聴の治療では一般にステロイドが用いられるが、これらの病態や作用機序の多くは不明である。本研究では急性感音難聴発症マウスの蝸牛で、次世代シークエンサー、DNAマイクロアレイ、リアルタイムRT-PCRといった技術により、内耳免疫に照準を絞った遺伝子発現解析を行う。この際、新規遺伝子転写産物である、長鎖非コードRNAの発現に対象をひろげる。さらに、ステロイドシグナリングに関係する免疫関連遺伝子である、Fkbp5のノックアウトマウスの蝸牛で同様の遺伝子発現解析を行う。これらのデータは、急性感音難聴のゲノム医療において、ステロイドの抗炎症・免疫作用による治療効果の予測法などにつながる。
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研究成果の概要 |
急性音響性障害を発症したマウスの蝸牛組織での炎症・免疫メカニズムを遺伝子発現のレベルで解析した。RNA-seqとDNAマイクロアレイのデータによると、免疫関連遺伝子Fkbp5の発現量は発症3時間後の蝸牛で増加していた。また難聴発症12時間後では、インターフェロンにより発現誘導される10遺伝子の発現が増加していた。一方リアルタイムRT-PCRのデータでは、難聴発症12時間後の炎症・免疫機能の活性化にはインフラマソーム以外のメカニズムが存在すると示唆された。さらに発症12時間後に発現量が変動する長鎖非コードRNAも探索した。これらが炎症・免疫機能といかに関係するか、今後の検討が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
急性感音難聴は比較的頻繁にみられ、かつ難治性の病態である。一般にその治療にはステロイド投与が行われ、ステロイドの作用機序としては炎症、免疫反応を制御すると想定されている。当研究では急性感音難聴(急性音響性障害)を発症したマウスの内耳で、どの様な炎症、免疫機能がかかわっているか、遺伝子発現のレベルで検討した。免疫関連遺伝子Fkbp5の発現と難聴発症の関係を検討し、どの様な機能的カテゴリーの炎症・免疫関連遺伝子群が難聴発症に関わるか検討した。当研究の成果は急性感音難聴の病態解明と治療法開発のために役立つ。
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