研究課題/領域番号 |
19K09852
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
尾崎 慎哉 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (70646455)
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研究分担者 |
江崎 伸一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (20620983)
鈴木 元彦 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (50326138)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | スギ花粉症 / 嗅覚障害 / ヒノキ花粉症 / アレルギー性鼻炎 / 行動解析 / 嗅覚の再生 / 薬剤性嗅覚障害 / ステロイド / 嗅神経 |
研究開始時の研究の概要 |
アレルギー性鼻炎、薬剤性嗅覚障害、外傷性嗅覚障害モデルマウスを作成し、それぞれの行動解析、嗅球局所電位などで嗅覚障害を評価する。 モデルマウスに、嗅粘膜組織由来幹細胞、ステロイド剤などを複数の経路で投与し、におい物質に対する行動の変化を評価確認する。 またモデルマウスの鼻粘膜の免疫組織学的評価、および電子顕微鏡にて解剖学的評価を経時的におこなうことで治療の効果を確認する。
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研究実績の概要 |
当研究では、嗅覚障害の新たな治療法の検討を行っている。まず、嗅覚障害の原因として、アレルギー性鼻副鼻腔炎、薬物障害、頭部外傷などがあげられる。研究の方針として、①嗅覚障害のモデルマウスの作成、②モデルマウスの行動解析③嗅覚障害治療④改善を行動解析での評価 で行う予定である。 最初に嗅覚障害モデルマウスの作成をおこなった。アレルギー性鼻炎のモデルマウスを、OVA(卵白アルブミン)を腹腔内および、点鼻する方法で作成した。 薬剤性嗅覚障害のモデルマウスとして、メチマゾールを75㎎/kgを腹腔内に投与した4週齢のマウスを作成した。そして、モデルマウスを用いた行動解析を行った。結果、コントロール群の到達時間は平均20秒程度、薬剤性嗅覚障害モデルマウスは平均40秒程度であった。そのため有意差をもって嗅覚障害による回避行動の遅延が認められたと考えられた。 コロナウイルス感染拡大のため動物実験が困難であり、研究の発展として新たに臨床上での嗅覚障害患者とアレルギー性鼻炎(特にスギ・ヒノキ花粉症)との関連性を検討することとした。スギ・ヒノキ花粉飛散とアレルギー性鼻炎が関連していることは著明であるが、飛散時期と嗅覚障害との関連性につき検討を開始した研究としてまずは、当大学にて花粉収集機を用いて、スギ花粉およびヒノキ花粉の集計を行った。大学の敷地内に、花粉捕集器を設置しており、2月から5月まで測定を行っている。飛散開始日と、最高飛散日および総花粉飛散数を集計した。2021年のスギ花粉の飛散開始日は2月15日、最高飛散日は3月10日、合計1620 個の花粉を集計した。ヒノキ花粉は飛散開始日は3月20日、最高飛散日は3月24日と29日、合計130個であった。過去30年で8番目に多い状態であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
薬剤性嗅覚障害モデルマウスの作成とアレルギー性鼻炎によるモデルマウスの作成に成功し、行動解析による評価を行うことができた。 今年度には、外傷性嗅覚障害モデルマウスの作成を試みていたが、新型コロナウイルス感染再拡大による必要物品の欠品などもあり実験継続をおこなうことが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
コロナウイルス感染の拡大が沈静化してきたため動物行動解析実験が可能となったため再開する予定である。 上記と並行して実臨床における嗅覚障害診療ガイドラインの作成にかかわっており、アレルギー性鼻炎に伴う嗅覚障害の治療においてのレビュー作成を行う予定である。
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