研究課題/領域番号 |
19K09854
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
伏木 宏彰 目白大学, 保健医療学部, 教授 (00262519)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 中枢性めまい / 離散的フーリエ解析 / 視覚ー前庭相互作用 / 平衡機能検査 / 離散的フーリエ変換 |
研究開始時の研究の概要 |
「めまい・平衡障害」の原因は診療科の枠組みを超えて多岐にわたる。内耳障害によるめまいが比較的多いが、脳梗塞・出血や変性疾患、奇形や腫瘍など小脳や脳幹を中心とした中枢の障害よるめまいやふらつきもある。血液循環の調節障害、頭痛、精神疾患によるめまいもある。 本研究は中枢の平衡機能障害を鋭敏に診断する検査を開発し、これにより臨床の現場において医師が適切に診断し、診療科間で円滑な連携と適切な治療が行えるようになることを目指す。耳鼻咽喉科、神経内科、脳神経外科、精神神経科、総合内科など複数の診療科や病院を受診しても適切な診断がつかないまま医療機関を渡りさまよう、いわゆる『めまい難民』を一人でも多く救う。
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研究成果の概要 |
中枢での視覚と前庭の相互作用に着目して、中枢の平衡機能障害をより鋭敏に診断する検査法を開発することを目的とした。 温度性眼振出現中に自動的に視刺激が行えるiPhoneアプリを開発して、追跡眼運動を行わせた。その間の複合眼運動を離散的フーリエ変換を用いて追跡眼運動と前庭性眼振成分に分けた。健常成人では追跡パターンは円滑で前庭性眼振の抑制率は高かった。中枢性めまい患者の追跡パターンは前庭刺激の付加により階段状となり、眼振抑制率は健常成人の平均値より有意に低かった。健常成人では視運動刺激を付加すると視運動刺激に従う眼振が誘発されたが、刺激の方向の違いにより眼振数や緩徐相速度に有意差がみられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により開発した検査は、1.中枢性めまいを鋭敏に検出できる検査であること、2.広く行われている温度刺激検査に自家開発したiPhoneアプリとゴーグルを用いて視刺激が行えることから、普及しやすいこと、3.前庭-追跡眼運動と前庭-視運動性眼運動の中枢相互作用で異なる反応様式を示したことから、中枢病巣診断が行える可能性が示唆されることが明らかとなった。 本検査システムをめまい診療にひろく普及させることにより、中枢性めまいの診断精度が高まり複数の診療科や病院を受診しても適切な診断がつかないまま医療機関を渡りさまよう、いわゆる『めまい難民』を一人でも多く救うことが期待される。
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