研究課題/領域番号 |
19K09855
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) (2022-2023) 慶應義塾大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
神崎 晶 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 聴覚・平衡覚研究部, 室長 (50286556)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 耳小骨 / 破骨細胞 / 骨溶解 / 血流 / 透明化 / 中耳炎 / LPS / IL6 / 動物モデル / 難聴 / 骨吸収 / 骨破壊 / 平衡障害 / 内耳 |
研究開始時の研究の概要 |
今回、中耳炎によって生じる聴力障害と平衡障害において骨密度が低下する原因は、いずれも破骨細胞が影響を及ぼすことが考えられており、以下3点について解析する。 1)骨溶解の過程で破骨細胞が発現している。さまざまな病態(感染、がん) や治療(人工内耳電極植込み、局所ステロイド投与)において破骨細胞の発現の変化を観察する。破骨細胞の発現パターンや破骨細胞数を経時的に観察した報告はない。2)平衡障害による運動量低下のため、全身の骨密度が低下する。その機序について解明する。3)臨床で認められるビスフォスフォネート製剤投与による副作用(顎骨壊死や外耳道真珠腫)に関して上記部位の破骨細胞発現を解析する。
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研究成果の概要 |
中耳炎によって耳小骨が溶解し難聴になってしまうことが臨床上問題であるが、詳細な機序についてはわかっていない。Lipopolysaccharide(LPS)を中耳内に単回投与した中耳炎モデルを用いて、マウス中耳洗浄液中IL-6の上昇がみられた。さらに、破骨細胞の血管周囲誘導像が3次元的に観察し、LPS投与群と生食投与群を比較した。ヒト耳小骨と同じく、表面の一定部位に複数の孔が存在することを確認した。中耳炎により難聴となる機序の1つとして、LPSにより炎症細胞が惹起され、誘導された破骨細胞が耳小骨内血管に作用し、血流を増やすことにより、サイトカインネットワークが増幅される、という仮説が考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義)骨は通常運動器のために存在しているが、中耳耳小骨のみ、感覚器としては唯一の骨である。骨破壊によって難聴になるが、まずはその機序が不明である。今回用いた透明化と血流解析によって解剖上複雑な臓器の3次元解析と血流の解析結果を示すことができたので、より複雑な解剖を呈する内耳にも応用可能である。 社会的意義)中耳炎は世界の至る箇所で小児を中心に広く認められる疾患である。特に抗生剤が不足している国々においては、中耳炎による鼓膜穿孔や中耳炎による耳小骨連鎖が溶解し難聴になってしまう。手術が必要であるが、そのような国々では手術も行われていないため文盲、さらに貧困の原因になる。
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