研究課題/領域番号 |
19K09868
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 (2022-2023) 大阪大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
武本 憲彦 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (20636485)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | HPV関連中咽頭癌 / 細胞障害性T細胞 / 放射線治療 / 細胞障害性リンパ球 / 放射線療法 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
HPV関連中咽頭癌はQOL低下の回避と良好な予後の維持を目指した低侵襲治療の有効性を検証されているが、HPV関連中咽頭癌の一部は予後不良であり、リスク層別化に有用なバイオマーカーが必要である。放射線治療は癌特異的な細胞障害性リンパ球(CTL)を局所に誘導して癌細胞に免疫原性細胞死を惹起するが、CTLの活性化が生存率と相関することが示されている。また近年、末梢血を用いたCTLの細胞障害性の定量法が開発された。そこで今回我々は放射線照射によって誘導されるCTLの細胞障害性がHPV関連中咽頭癌の予後良好群と予後不良群を判別する上で有用なバイオマーカーとなるかを検証することを目的として研究を行う。
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研究実績の概要 |
去年度までの治療が完遂されたHPV関連中咽頭癌21例に加えて新たに5例が解析対象として追加されたが、治療前と20Gyと40Gyと70Gyの4ポイントを測定し得たのは3例のみで、2例は試薬供給量が間に合わず、解析対象から除外することになった。 それぞれ血液検体からPBMCを採取しBispecific抗体を用いてCTL活性を測定したが、新規追加例のうち2例が寛解、1例が病変遺残を認めた。CTLの活性値は治療前をベースとし、最大活性値/ベース活性値が2以上が1例、1.5~2.0および1.0~1.5は認めず、1未満が2例であった。最大活性値/ベース活性値は寛解2例のうちは1例は2以上であったが1例は1未満であった。また遺残例は1.5-2.0であった。治療中の活性値のピークは20Gy時が1例、40Gy時が2例であり、以後の治療経過で最大になる症例は認めなかった。現在までの解析解析対象24例の結果として寛解例20例、遺残例4例であった。 CTL活性値は治療前をベースとし、最大活性値/ベース活性値比は寛解例の平均値は1.32で、1未満の症例も3例含んでいた。同様に遺残例の平均値は1.41で、1未満の症例は1例であった。寛解/遺残に関して最大活性値/ベース活性値比はt検定およびROC解析を行ったが有意な結果は得られなかった。 治療中のCTL活性値のピークとして寛解例は20Gy時4例/20例(20%)、40Gy時9例/20例(65%)、70Gy時7例/20例であり、遺残例は20Gy時1例/4例(25%)、40Gy時2例/4例(50%)、70Gy時1例/4例(25%)であった。いずれのピーク時においても寛解/遺残に関して有意な差を認めることはなかった。 Covid19パンデミックにより試薬供給が断たれたことにより解析対象者の大幅な減少が生じたことが本研究のLimitationとして考えられる。
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