研究課題/領域番号 |
19K09872
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
|
研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
平野 隆 大分大学, 医学部, 講師 (20305056)
|
研究分担者 |
安倍 伸幸 大分大学, 医学部, 客員研究員 (10433054)
鈴木 正志 大分大学, 医学部, 教授 (60211314)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | インフルエンザ菌 / 粘膜免疫 / 加齢 / 上気道粘膜 / T細胞分化 / 経鼻ワクチン / PD-1 / 濾胞ヘルパーT細胞 / 気道感染 |
研究開始時の研究の概要 |
無莢膜型インフルエンザ菌は急性および慢性気道感染を来す主要起炎菌として挙げられ、小児においては急性中耳炎、成人においては慢性閉塞性肺疾患(COPD)における持続感染菌として臨床的に重要である。下気道感染の発症にはone way one diseaseといった上気道感染が契機となる症例も少なくなく、気道粘膜疾患制御は、小児のみならず成人においても重要な意義を持つものと思われる。今回、インフルエンザ菌由来のワクチン抗原による上下気道粘膜免疫賦活化誘導と加齢に伴う粘膜免疫免疫応答の変化の解析を行い、ヒト上下気道感染の感染防御に関する新療法を模索する。
|
研究成果の概要 |
加齢による無莢膜型インフルエンザ菌の外膜タンパク質(OMP)の経鼻免疫に対する上気道粘膜免疫応答を分析した。マウス(5週齢、6か月齢、1年齢)に、OMP経鼻免疫前後に中耳、鼻粘膜、鼻関連リンパ組織、頸部リンパ節、および脾臓から単核細胞を収集し、フローサイトメトリーによってT細胞の分化を解析した。加齢に伴いCD3陽性T細胞がリンパ組織で減少し、メモリーT細胞比は増加し、ナイーブT細胞比は減少した。免疫後の解析では、加齢により上気道粘膜およびリンパ組織でのメモリーT細胞比の増加、エフェクターT細胞比の低下を認めた。上気道粘膜およびリンパ組織におけるOMPに対するT細胞免疫応答は加齢により減少した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児のみならず高齢者を含めて、無莢膜型インフルエンザ菌は上気道のみならず下気道においても感染症を発症する起炎菌であり、鼻咽腔におけるインフルエンザ菌の定着が発症の引き金になりうることが推測されている。このような背景からインフルエンザ菌ワクチンの開発は、小児のみならず高齢者においても急務であり重要な意義を持つものと思われる。加齢に伴って局所から全身免疫系を含めたT細胞における免疫応答機能が低下し、感染抵抗性が低下することはよく知られている。今回、加齢に伴う上気道粘膜免疫応答をT細胞含めた免疫応答について解析することにより、インフルエンザ菌粘膜ワクチン開発への応用につなげることが可能となる。
|