研究課題/領域番号 |
19K09876
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 (2020-2022) 慶應義塾大学 (2019) |
研究代表者 |
今西 順久 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (80255538)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 頭頸部癌 / 咽頭扁平上皮癌 / 転移 / 頸部リンパ節 / EMT(上皮間葉転換) / 癌幹細胞特性 / Cox-2 / EP2 / 舌口腔癌 / 咽喉頭癌 / 経口切除術 / 独立規定因子 / 健側頸部リンパ節転移 / 傍神経浸潤(PNI) / 間葉上皮転換(MET) / 治療施設類型 / 咽頭癌 / 手術 / perineural invasion / がん幹細胞特性 / 口腔癌 / 化学放射線治療 / 独立予後因子 / AGR / 間葉上皮転換(MET) / E-cadherin / 導入化学療法 / 間葉上皮転換 / 癌幹細胞 / 薬剤耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
頭頸部癌の治療成績向上には癌細胞の浸潤転移と薬剤耐性の制御が不可欠である。そこで癌細胞の間葉上皮転換と幹細胞形質喪失を同時誘導する新たな治療戦略の確立を目的に本研究を行う。関連する分子機構としてCox2/PGE2/EP2,VEGF-C/Flt-4/CNTN-1,およびVEGF-C/Flt-4/Cox-2のシグナル経路を標的とし,その制御による抗腫瘍効果をHNSCCモデルを用いて多角的に評価する。
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研究成果の概要 |
1) 咽頭癌細胞におけるCox2とその下流EP2(PGE2受容体)の選択的阻害は,MET誘導を介した細胞増殖能・遊走能の抑制を含む抗腫瘍効果を示した。下咽頭癌切除標本の組織学的検討より,頸部リンパ節転移におけるE-cadherin発現低下とCox2発現亢進に特徴付けられるEMTの深い関与が示唆された。2) 咽頭癌細胞に対する選択的なCox2およびEP2阻害は,Oct3/4 および Nanogの発現抑制, 足場非依存性細胞増殖能抑制により癌幹細胞特性を減弱させた。中下咽頭癌の導入化療前後の検体の免疫組織化学的検討により,治療前のCox2発現と導入化療による組織学的治療効果に有意な逆相関を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頭頸部扁平上皮癌における治療成績向上の最大の障壁は制御困難な転移にある。本研究の結果は,癌転移と薬剤抵抗性の双方に関わるEMT(上皮間葉転換)と癌幹細胞能を同時に誘導する分子機構の一端を明らかにすることにより,その関連分子を指標とする転移リスク評価の有用性,およびそれらを標的とする治療の有効性を示唆するもので,癌診療の新たな戦略の実現可能性が期待される。
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