研究課題/領域番号 |
19K09887
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
|
研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
楯谷 智子 京都先端科学大学, 健康医療学部, 教授 (10512311)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 有毛細胞 / 蝸牛 / 発生・分化 / 外有毛細胞 / 内有毛細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類では成熟した有毛細胞は一度障害を受けると再生せず、このことが難聴の多くが治療困難である原因と考えられている。応募者はマウスを用いて有毛細胞を含む蝸牛感覚上皮の発生過程につき研究し、有毛細胞再生医療への応用を目指している。 応募者らの予備的研究(内有毛細胞と外有毛細胞の分化が、蝸牛発生初期のBmp4-Idシグナル伝達系を介した内側-外側軸形成に依拠していることを示した)を展開し、蝸牛の内側-外側軸形成と内有毛細胞-外有毛細胞分化の制御機構を解明することを目的としている。さらに、得られた知見をもとにして内有毛細胞と外有毛細胞の「作り分け」方法を開発し、蝸牛有毛細胞再生に応用したい。
|
研究成果の概要 |
我々はBmp4シグナルの蝸牛感覚上皮発生における役割を解明するため、Bmp4下流因子であるとされるId1‐3に着目し、Id遺伝子群は蝸牛の形態形成に必要な因子であり、また外有毛細胞など蝸牛外側の細胞配列に重要な役割を担っていることが明らかにした。また、自験例RNA-Seqおよび他施設RNA-Seqの結果より、内有毛細胞-外有毛細胞の分化と成熟に関与する6つの候補遺伝子を選び、loss of function実験に着手した。現在作製中・解析中であるが、1つの候補遺伝子ノックアウトマウスは有毛細胞発生異常を認め、より直接的な制御因子であることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
治療法のない難聴の殆どが蝸牛有毛細胞の障害を原因としており、聴覚再生に向けた研究の多くが有毛細胞の再生を目的としてきた。蝸牛の内有毛細胞と外有毛細胞は機能も異なり、内有毛細胞が聴覚情報を中枢に伝え、外有毛細胞は聴覚情報の増幅器として機能する。また、外有毛細胞はとりわけ、障害を受けやすいことが知られている。内有毛細胞と外有毛細胞の分化メカニズムを解明することは、聴覚再生研究の基礎として重要と考えられる。
|