研究課題/領域番号 |
19K09894
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
山下 懐 琉球大学, 医学部, 委託非常勤講師 (60569622)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | IP / SCCA1 / SCCA2 / 内反性乳頭腫 / 鼻副鼻腔 / SCCA / cellular senescence / HPV / IP+SCC |
研究開始時の研究の概要 |
IPは約10%に悪性化が見られ、前癌病変として重要である。IPの悪性化は組織学的には上皮化生に伴う基底細胞層の異形成から上皮内癌,浸潤癌へ緩やかに進むとされるため、同一検体の中で異形成過程やIPからSCCへの悪性転化過程が確認できる。IPに観察される血中SCCA高値の現象および、IPの異形成過程やSCCへの悪性転化過程でのHPV感染とcellular senescenceの関与を解析することにより、IPの正確な術前診断(悪性病変合併の有無を含む)、再発病変の早期診断、易再発性と悪性転化のリスク判定に有用なバイオマーカーを見いだすとともにIPの悪性転化の機序の解明を目的とする。
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研究成果の概要 |
鼻副鼻腔内反性乳頭腫(IP)において術前SCCA1、2値が診断マーカーとなるかを前向き検討した。対象は内視鏡下副鼻腔手術を受けた102例(IP18例、他の乳頭腫2例、慢性鼻副鼻腔炎(CRS)77例、副鼻腔癌4例、血管腫1例)。SCCA1値はSCCA2値と有意に相関(r = 0.510、p < 0.001)し、IPおよび他の乳頭腫とCRSを鑑別するためのROC解析はAUC0.86、Youden index1.75で、SCCA2解析と組み合わせで、検出システムの感度は0.65、特異度は0.98。SCCA1のカットオフ値1.8ng/mlでSCCA1、2値はIPの術前診断を強化できると示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鼻副鼻腔内反性乳頭腫(IP)は良性腫瘍であるが,1.正確な術前診断が困難,2.易再発性(手術切除による再発率:10%),3.悪性転化(同時性+異時性:10%)の3つの問題点がある。IPの術前診断は病理検査だが,炎症の合併から術前病理診断率は約50%と低く,悪性病変の合併は見逃されることが多い。治療は内視鏡下切除になるが不十分な場合に再発率は上昇する。術後病理での悪性病変の合併(同時性),経過観察中の悪性化(異時性)は10%に発生し患者生命に関わる。また術後の創部瘢痕は再発病変の早期発見を困難にさせる。本研究でSCCA1、2値の測定がIPの術前診断を強化できると示唆されたことは重要である。
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