研究課題/領域番号 |
19K09898
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
|
研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
増田 正次 杏林大学, 医学部, 准教授 (20317225)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 難聴 / ストレス / 中間細胞 / 蝸牛 / 外側壁 / メラノサイト / 抗酸化剤 / 線維芽細胞成長因子 / 感音難聴 / 聴覚 / 内耳 / 血管条 / 生細胞イメージング / 蛍光イメージング / 蝸牛ストレス / 蝸牛外側壁 / 加齢 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は老人性難聴の予防法確立を第一に目指している。この目的を達成するため、中間細胞の”蝸牛防御細胞”としての機能に注目して研究を進める。中間細胞による蝸牛防御機能を引き出す既存化合物をスクリーニングするため、蝸牛血管条の中間細胞が蛍光ラベルされたマウスを利用する。このマウスの蝸牛外側壁を組織培養することで、生きたままの中間細胞を明視下に、経時的に観察できる。たとえ再生医療で聴覚感覚細胞を再生出来たとしても、中間細胞の働きがなければ、結局感覚細胞は生存できない。老人性難聴のみならずその他の感音難聴疾患の予防、治療にも幅広く応用ができ、再生医療を支える知見も得られる研究である
|
研究成果の概要 |
内耳蝸牛の外側壁細胞群は、正常な聴力の維持に必須の役割を担っている。本研究では、外側壁細胞群の中でも中間細胞に焦点をあてて研究を開始した。外側壁組織培養中の中間細胞の経時的な形態変化を観察した結果、中間細胞は蝸牛内の物質輸送以外にも多彩な機能を有している可能性が示唆された。メラノサイト増殖因子群とサプリメントとして市販されている抗酸化剤が、中間細胞の酸化ストレスや加齢に伴う生存率減少軽減効果を有している可能性が示唆された。現在、歯周組織再生剤として臨床応用されている線維芽細胞成長因子(FGF2)に、外側壁組織の細胞増殖効果を認めた。FGF2が耳科分野にも応用可能であることを示唆する知見である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
聴覚にかかわる神経回路の最も末梢にある蝸牛有毛細胞を再生させる研究は世界中で非常に熱心に行われている。しかし、著明な効果を有する薬剤が臨床現場で汎用されるには長い時間と莫大な費用を要することが予想される状況である。一方、外側壁細胞群は薬剤により再生や増殖を促すことが比較的容易であることが示された。外側壁細胞群が正常に機能しなければ有毛細胞も正常な機能、生存は不可能である。急性難聴や加齢性難聴など幅広い病態を含む難聴の新規予防法、治療法を早期に臨床現場へ導入するためには蝸牛外側壁細胞群をターゲットにした研究が有用であることが示された。
|