研究課題/領域番号 |
19K09902
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
齊藤 和也 近畿大学, 医学部, 講師 (30411614)
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研究分担者 |
瀬尾 徹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (30258149)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 前庭誘発筋電図 / 耳石器 / 球形嚢 / 合成音 / めまい / VEMP / トーンバースト音 / チャープ音 |
研究開始時の研究の概要 |
国際機関によるガイドラインにおいて、VEMPに用いる音響刺激については、現在もなお聴覚検査と同様なトーンバースト音を用いことが規定されている。 本研究では、球形嚢刺激に適する合成音を明らかにする。このチャープ音を用いてVEMP (チャープ音VEMP)の測定を行う。さらにチャープ音VEMPが疾患の診断に利用できるか どうかを検証するために、耳石器障害モデル動物、耳石器内リンパ水腫動物を作成し、それらにおけるチャープ音VEMPについて評価する。
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研究実績の概要 |
今年度は、正常人における耳石器の音響特性について、前庭誘発筋電位(VEMP)の反応で評価した。一般にVEMP測定時の刺激として500Hzのトーンバースト音(TB)を用いるが、ここでは250Hz、500Hz、700Hz、1000Hz、1500Hz、2000Hzの6種の音を用いた。その結果、得られた振幅については、既報と同様に500Hzに2.00と最大値をもち、250Hzで0.78、2000Hzで0.70となる山型を示した。一方、潜時については刺激音の対数で示される1次関数となった。すなわち刺激周波数をfx(Hz)とすると、p13潜時は-1.73*log10(fx)+19.2(msec)として、n23潜時は1.89*log10(fx)+28.3(msec)として示された。このことから、各刺激により得られるp13潜時を、最大振幅をもつ500Hz 刺激における潜時に合致させるには、250Hzで0.52sec先行し、700Hzで0.25msec、1000Hzで0.52msec、1500Hzで0.82msec、2000Hzで1.04msesc遅延した刺激音を重ねあわせるとよいこととなる。同様にn23潜時についても求めると、各周波数においてp13における値との差は0.02から0.10msecと僅小であった。すなわち、500HzTBに上記の刺激開始時間のずれをもった各TBを合成することで、各周波数刺激におけるp13、n23波形が一致し、より大きな振幅をもつVEMPが記録される可能性がある。この音をサウンドジェネレーターにて合成したものがVEMPのより適切な刺激音となりうると推定できる。次年度以降、引き続きこれについて検証が必要であるが、申請者の都合により本研究課題は一旦終了とする。
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