研究課題/領域番号 |
19K09911
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
松田 和徳 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 徳島大学専門研究員 (60721785)
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研究分担者 |
武田 憲昭 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (30206982)
佐藤 豪 徳島大学, 病院, 講師 (30464358)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 前庭代償 / 免疫組織化学法 / MK801 / Fos / ヒスタミンH3受容体 / GABA作動薬 / 自発眼振 / 前庭神経核 / GABAA受容体 / vestibular suppressants / 小脳 / 免疫組織化学 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢化社会を迎える日本において、前庭代償に影響を及ぼす薬剤の検討と前庭代償を促進する薬剤の開発が求められる。本研究では、前庭代償の前期過程だけでなく、これまでに評価が困難であった後期過程も評価できる免疫組織化学的手法による新しい前庭代償モデル動物を開発する。我々の開発した動物モデルによる前庭代償の新しい評価法は、薬剤における前庭代償に与える影響についての科学的根拠となり、vestibular suppressants に対する従来の概念をくつがえす実験的根拠となる。さらに、前庭代償の促進に着眼した抗めまい薬の開発にむけた臨床的応用へとつながり、前庭代償を促進する新規薬剤の開発も可能となる
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研究成果の概要 |
一側内耳破壊術を実施した前庭代償モデルを用いて、前庭代償の前期過程(健側前庭神経核の活動性の抑制)は内耳破壊後の眼振数の経時的変化で評価でき、前庭代償の後期過程(障害側健側前庭神経核の活動性の回復)は、MK801投与により誘導される健側前庭神経核におけるFos陽性ニューロン数の減少の経時的変化で評価できることを証明した。 前庭代償の前期・後期過程を分離する新しい評価法により、ヒスタミンH3受容体拮抗作用をもつthioperamide やbetahistineは前庭代償の後期過程を、GABAA受容体作動薬であるdiazepamは前庭代償の前期過程をそれぞれ用量依存性に促進することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、我が国は世界でも類を見ない超高齢社会に突入している。高齢者において前庭代償遅延によるふらつきは転倒・骨折の危険因子となり、健康寿命を短縮させる要因となる。今後、超高齢化社会を迎える日本において、前庭代償に影響を及ぼす薬剤の検討と前庭代償を促進させる薬剤の開発が求められる。本研究は、薬剤における前庭代償に与える影響についての科学的根拠となり、前庭代償の促進に着眼した抗めまい薬の開発にむけた臨床的応用へとつながり、前庭代償を促進する新規薬剤の開発も可能となりうる。このことは、超高齢社会に向けたフレイルや寝たきりの予防戦略の構築に貢献し、超高齢化のすすむ我が国において社会的意義が大きい。
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