研究課題/領域番号 |
19K09931
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
塩瀬 聡美 九州大学, 大学病院, 助教 (90644758)
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研究分担者 |
石川 桂二郎 九州大学, 医学研究院, 助教 (00795304)
園田 康平 九州大学, 医学研究院, 教授 (10294943)
秋山 雅人 九州大学, 医学研究院, 講師 (10757686)
久冨 智朗 福岡大学, 医学部, 准教授 (50404033)
有馬 充 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (60772845)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 加齢黄斑変性 / 網膜下線維化病変 / agrin / 線維化阻害 / 線維化モデルマウス / 加齢黄斑変性患者における線維化率 / 線維化モデルマウスにおけるagrin / 網膜下線維化 / レーザー誘発CNV)モデルマウス / 線維化 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢黄斑変性(AMD)の治療は、脈絡膜新生血管(CNV)に対する治療が中心で、治療後生じる網膜下線維化に有効な治療はない。最終的に網膜下線維化による視機能障害がおこるため、この線維化への対策が不可欠である。線維化に関する様々な蛋白をターゲットとした治療が試みられているが、未だ実用化されていない。我々は、新たなターゲットとしてagrinという蛋白に着目し、網膜下線維巣に有意にagrinが発現していることを、マウスレーザー誘導性CNVモデルにより証明した。網膜下線維化のメカニズムを明らかにし、agrin を標的とした新たな治療を確立することは、AMD 患者のアンメットニーズに応える治療戦略となる。
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研究成果の概要 |
加齢黄斑変性(AMD)のレーザー誘発脈絡膜新生血管モデルマウスを用い、細胞外マトリックスagrinの関与を確認したところ、網膜下線維化(SRF)の障害を受けたRPE細胞を中心としてagrinが発現しており、RPE細胞のagrin発現への関与が示唆された。Agrin制御因子を発見するためにDNAマイクロアレイ解析を行ったところagrinが周囲の細胞増殖や細胞外基質の硬化を行う際に介するといわれるYAP/TAZシグナルの活性化を確認できた。 抗VEGF薬治療を行ったAMD眼105眼のSRF発生の検討では高齢、網膜下の高輝度物、classic CNV、RPEの欠損部が長いこと、がSRFに関連していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在AMD患者の治療後の視機能障害に関連する網膜下の線維性変化には有効な治療はない。網膜下線維化に対する治療を確立することが不可欠である。今回、細胞外マトリックスの蛋白の一つであるagrinが網膜下線維化に関連する可能性が示唆された。agrinを標的とした新たな治療を確立することは、AMD患者のアンメットニーズに応える治療戦略となり、経済面や安全面の上でも非常に有効な治療となる。また、網膜下線維化を起こしやすい症例の特徴についても解析をおこなった。この結果は網膜下線維化について注意すべき患者の特徴、患者の予後、を予測する因子になる可能性がある。
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