研究課題/領域番号 |
19K09950
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
岡 千緒 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (30263445)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 加齢黄斑変性 / HtrA1 / オートファジー / Clusterin / 酸化ストレス / ノックアウトマウス / プロテアーゼの基質 / プロテアーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
分泌型セリンプロテアーゼHtrA1は遺伝性の血管性認知症であるカラシルや加齢黄斑変性(AMD)、がんなどの多様な疾患に関わる。本研究では、HtrA1 ノックアウト(KO)マウス、HtrA3 KOマウスおよびHtrA1/HtrA3 ダブルノックアウト(DKO)マウスの大動脈、胎盤、網膜組織を材料にプロテオミクスの手法を用いて得られたclusterinを含む14個の基質候補蛋白質から基質として確からしい蛋白質を選別する。次に、選別した蛋白質についてAMDの病態形成の観点から機能解析を行うための系を確立する。最後に現時点で最も基質として確からしいclusterinについて実際に機能解析を行う。
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研究成果の概要 |
分泌型セリンプロテアーゼをコードするHtrA1遺伝子の多型は、高齢者の失明原因として重要な加齢黄斑変性(AMD)発症と強くリンクし、HtrA1の発現上昇を引き起こすが、そのメカニズムは不明である。我々は、HtrA1が分解するタンパク質、Clusterin(CLU) に注目し解析を行った結果、HtrA1はストレス下で凝集性CLUを分解もしくはリフォールディングし、細胞質に移行するCLUを増加させることによりオートファジーを促進しストレスに対する抵抗性を与える可能性を示した。今後は、何故HtrA1の過剰発現によるオートファジーの促進がAMDにつながるのかを解明する必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
AMDは欧米において高齢者の失明原因の第1位、日本においても第3位であり、高齢化社会を迎えさらに増加すると考えられるが、根本的な治療が確立されていない。有効な治療法や予防法の確立のためにはAMDの病態形成メカニズムの解明が急務である。先行研究により、HtrA1プロテアーゼ活性の上昇がAMDの発症につながることが強く示唆されているが、そのメカニズムは不明である。本成果は、HtrA1が基質タンパク質CLUを介して、オートファジーの促進に関与することをはじめて明らかにしたものであり、HtrA1の異常によるAMDの病態形成メカニズムの理解に向けて一歩近づくものである。
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