研究課題/領域番号 |
19K09952
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
村上 祐介 九州大学, 大学病院, 講師 (50634995)
|
研究分担者 |
園田 康平 九州大学, 医学研究院, 教授 (10294943)
池田 康博 九州大学, 医学研究院, 准教授 (20380389)
柴田 健輔 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50529972)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 網膜色素変性 / 神経炎症 / DAMPs |
研究開始時の研究の概要 |
近年網膜色素変性(RP)の進展に慢性炎症が重要であることが明らかとなってきているが、どのような分子メカニズムで炎症が誘導されるのかは不明な点が多い。本研究では、死細胞から放出される障害関連分子パターン(DAMPs)とその認識機構に着目し、RNASeqや遺伝子改変動物を用いた解析から、RPのマイクログリア/マクロファージの活性化に重要なDAMPs/レセプター/アダプタータンパクを同定する。RPの炎症病態の根本的な理解とともに、最終的には全く新しい分子を標的とした革新的な抗炎症RP治療薬の開発を目指す。
|
研究成果の概要 |
網膜色素変性(RP)の神経炎症機序を明らかにするため、特に死細胞から放出される障害関連分子パターン(DAMPs)の認識機構に着目して研究を行った。RPモデルマウスから、DAMPs認識の主要経路であるTLRs/Myd88とCLRs/Card9のそれぞれをノックアウトすると、Myd88欠失により網膜変性が促進された。またMyd88欠失により、マイクログリアの網膜外層への遊走が阻害され、網膜環境の恒常性が崩れた。従って、TLR/Myd88経路はRPのDAMPs認識機構として重要であり、マイクログリアの活性化・遊走を介して網膜保護的な役割を担うことが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
網膜色素変性(RP)は遺伝性の網膜変性疾患で、治療法のない難病である。近年の研究から神経炎症がRP病態に大きく関わっていることが分かってきたが、どのようなメカニズムで神経炎症が誘導されるのか、その役割は何なのかは不明であった。本研究は、TLR/Myd88経路がマイクログリアの活性化と遊走に重要であり、TLR/Myd88を介した神経炎症が網膜保護的に働くことを明らかにした。RPの神経炎症について、そのメカニズムの一端を解明するとともに、TLR/Myd88を新たなRPの治療標的として同定することができた。
|