研究課題/領域番号 |
19K09953
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
中野 聡子 大分大学, 医学部, 助教 (20593809)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Direct Strip PCR / 検体直接PCR / 感染性ぶどう膜炎 / 眼内炎 / 角結膜炎 / 臨床現場即時検査(POCT) / 薬事申請 / 医師主導臨床性能試験 / 眼感染症 / ぶどう膜炎 |
研究開始時の研究の概要 |
眼感染症は不可逆な視力障害を生じ、病原体毎に治療が異なるものの、臨床所見のみでは鑑別困難である。検体が微量で有用な検査薬もない。我々は核酸精製不要・検体直接PCR技術、マルチプレックスPCR技術、凍結乾燥技術で構成された独自技術を用い、まず感染性ぶどう膜炎に対し主要病原体9項目を13μLの眼科検体から40分で検出する試薬を開発し、多施設研究を行い薬事申請を目指している。感染性角結膜炎、眼内炎、海外ぶどう膜炎に応用し、ポータブル型PCR機器開発と合わせ、総合的な眼感染症病因診断の臨床現場即時検査(POCT)化を成し遂げ、外来・術中など、迅速病因診断に基づく治療を可能にする。
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研究実績の概要 |
感染性ぶどう膜炎、眼内炎、角結膜炎は失明に至りQOLに生涯影響する重要疾患である。原因はウイルス、細菌、原虫、寄生虫と多岐にわたり、それぞれ治療法が異なる。臨床所見のみでは鑑別困難で、病因診断は遺伝子検査が有用であるが、眼科検体は微量(最少20μL)で従来検査(300μL以上)では検体量が不足した。さらに従来検査は繁雑で普及困難であった。眼感染症に対応する簡便・迅速な遺伝子検査試薬キットは国内外でも開発されておらず、病因診断に基づかない盲目的治療による不可逆な視力障害、副作用に苦しむ症例が多いことが課題で、正確・迅速・簡便な病因診断への眼科医療現場の積年の強いニーズがある。2013年に「難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)」が先進医療となった。しかし、保険診療化には迅速簡便で普及性の高いキット試薬開発が必要とされた。まず、我々は、核酸精製不要・検体直接PCR技術、マルチプレックス・リアルタイムPCR技術、凍結乾燥技術で構成された独自技術を用い、感染性ぶどう膜炎に対し主要病原体9項目を20μLの眼科検体から40分で検出する試薬を開発した。国内用感染性ぶどう膜炎をターゲットにしたキットを開発し、先行多施設研究を施行した。成果をまとめた論文は2021年にOphthalmology誌(IF8.2)に掲載された。産学連携による薬事申請に繋げるため、この枠組を利用した医師主導臨床性能試験を準備し、東北大学AROの支援を得て、PMDA対面助言を終了した。続いて、感染性角結膜炎・眼内炎に対する試薬を開発し、多施設評価を開始した。そしてポータブル型PCR機器に対応する試薬を開発し、基礎評価、並びに臨床検体を用いた評価を行った。現在これらの成果を学術論文にまとめている。総合的な眼感染症病因診断の臨床現場即時検査(POCT)化を成し遂げ、外来・術中など、迅速病因診断に基づく治療を可能にすることを目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
・感染性ぶどう膜炎をターゲットにしたキットを開発し、先行多施設研究を施行した。成果をまとめた論文は2021年にOphthalmology誌(IF8.2)に掲載された。 ・医師主導臨床性能試験を準備し、東北大学AROの支援を得て、PMDA対面助言を終了し、倫理委員会一括審査を完了させた。 ・感染性角結膜炎・眼内炎に対する試薬を開発し、多施設評価を実施、成果を学術論文にまとめている。 ・ポータブル型PCR機器に対応する試薬を開発し、基礎評価、並びに臨床検体を用いた評価を行い、外来・術中など、迅速病因診断として実際に表する体制を整えた。 ・新規先進医療としての申請準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
・感染性ぶどう膜炎をターゲットにしたキットは、医師主導臨床性能試験を進める。 ・感染性角結膜炎・眼内炎に対する試薬は、最終形状を決定することができたため、最終製品の多機関評価を進める(倫理委員会承認済) ・ポータブル型PCR機器による、外来・術中迅速病因診断モデルケースを全国に広げる。
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