研究課題/領域番号 |
19K09957
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
石田 文子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 研究員 (60837764)
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研究分担者 |
栗原 俊英 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (50365342)
池田 真一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (50534898)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 近視 / バイオレットライト / 強膜 / violet light |
研究開始時の研究の概要 |
近視はアジア圏において急速に増加し、その保有率は60~90%であると試算されている。しかしその発症における分子機序は明らかではなく、そのため有効な治療法が存在しない。申請者らはヒト・ヒヨコを用いた試験で360nm-400nm領域光(バイオレットライト、VL)には近視進行抑制効果があること、また申請者らが開発したマウス近視誘導モデルにおいて近視強膜ではマクロファージの増加および繊維芽細胞増殖が生じることを見出した。強膜における細胞構成の変化が近視発症の分子機序であり、VLによる近視進行抑制は強膜における細胞増殖を抑制することで生じると仮説し、この仮説の検証を本研究の目的とする。
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研究実績の概要 |
近視はアジア圏を中心に急速に広がっているが、その発症・進行の分子機序および効果的な予防方法が存在しない。現在までに唯一エビデンスレベルが高い予防法として屋外活動あるが、申請者は太陽光に含まれる360nm~400nm領域の光(バイオレットライト)が近視進行抑制へ関与を示唆する知見を得ており、その近視進行抑制効果について検証した。申請者は夏、快晴、北向きの屋外太陽光に含まれるVLのエネルギーを基準にし、レンズ誘導近視マウスへの照射実験を行った結果、VLの照射はマウス近視モデルの近視進行を完全に抑えることが確認された。また、自然の太陽光の中にに豊富に存在する赤、緑、青色の光をVLと同じエネルギーでマウスに照射し、近視進行抑制効果を比較した結果、VLの近視抑制効果が一番強いことが確認された。以上により、屋外環境光に存在するVLはマウスの近視進行を抑制することができ、その抑制効果は波長特異的であることが証明された。 また、近視は眼球の前後方向の長さである眼軸長が伸長することで生じるが、この眼球形態の変化に関して申請者は強膜に着目し病理学的組織学的な検討を詳細に進めたところ、近視強膜では、強膜線維芽細胞の粗面小胞体が膨張していることを見出した。これは小胞体ストレスが生じている際の一つの傍証であることから、近視強膜では小胞体ストレスが生じていること、それば眼軸伸長に関わっている可能性が考えられた。
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