研究課題/領域番号 |
19K09972
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
永田 健児 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (00457988)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Vogt-小柳-原田病 / ぶどう膜炎 / フォークト‐小柳-原田病 / 眼内液解析 |
研究開始時の研究の概要 |
フォークト‐小柳‐原田病(原田病)は漿液性網膜剥離を伴うぶどう膜炎を特徴とし、急な視力低下を来す疾患で、治療に難渋することもしばしばあり、その病態解析や治療法の検討が必要である。本研究では原田病患者の眼内液を解析することで、原田病発症のトリガーや眼炎症の病態を解明する。また、副作用の多いステロイドの使用を減らすことも重要であり、治療への反応にかかわるマバイオーカーを検討することで、早期からの治療最適化を目指す。
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研究成果の概要 |
フォークト-小柳-原田病の発症のトリガーとなる原因候補として髄液中の種々のウイルスの存在を検討したが全て陰性であり、特定の病原体の関与の可能性は低いと考えられた。発症初期には83.3%の眼において毛様体剥離が認められ、2か月以内に消失した。発症時、毛様体も肥厚しており、治療開始後徐々に減少し、2ヶ月でプラトーに達した。前眼部OCTは診断と経過観察に有用である。再燃に関する予後因子は、単変量解析では年齢が高いこと、眼症状自覚から初診までの期間が長いこと、ステロイドパルス療法における後発医薬品の使用が有意なリスク因子であり、ロジスティクス回帰分析により後発医薬品の使用が唯一のリスク因子であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Vogt-小柳-原田病の発症の誘因には特定のウイルスは検出されず、異なる病態を検討する必要がある。髄液で病態にかかわる炎症性サイトカインを同定した。これまで診断・経過観察にほとんど用いられていなかった前眼部OCTが原田病の診断および治療の評価に有用なことが分かった。これによってより良い治療につながると考えられる。また治療にはステロイドパルス療法に後発医薬品を用いた場合、再発のリスクが有意に上昇することが分かった。近年後発医薬品の使用が増えている中で、原田病のような急性期の治療が重要な関しては先発品の使用が望ましいことが分かり、今後の本疾患の予後改善につながる成果である。
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