研究課題/領域番号 |
19K09984
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
前田 亜希子 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 客員研究員 (40776423)
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研究分担者 |
大西 暁士 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 客員研究員 (70569102)
万代 道子 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 副プロジェクトリーダー (80263086)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 網膜色素変性 / iPS細胞 / 薬物治療 / 網膜色素変性症 |
研究開始時の研究の概要 |
網膜色素変性(RP)は現在のところ治療法のない難病である。現在までに80を超える原因遺伝子が知られており、それらすべての遺伝子に対する治療をそれぞれに開発することは現実的でない。本研究では汎用性の高いRP治療開発に貢献するため、原因遺伝子に関係なくPTCナンセンス変異を治療ターゲットとする薬物治療の可能性を探求する。既存薬の中からRP病因であるタンパク質合成を中断するPTC変異を読み飛ばしタンパク質合成を再開させる治療候補薬(リードスルー薬)を化合物ハイスループットスクリーニング法を用いて同定する。さらにiPS細胞由来ヒト疾患モデルを用いることにより、同定された候補薬の前臨床試験を施行する。
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研究成果の概要 |
本研究では、リードスルー効果を有する26の化合物を同定した。 そのうちの12は、コントロールPTC124よりも有意に高い活性を示した。 ウエスタンブロッティングにより、RP細胞モデルにおいて変異により生成が停止されていたPR2タンパク質の発現回復が確認された。 これらの化合物でのタンパク質の発現レベルは、PTC124での発現レベルよりも高く、既存のリードスルー薬よりも効果的な化合物を同定できた可能性がある。 今回同定されたリードスルー化合物は、PTC124よりも強いリードスルー効果を持っていることが示唆され、良好な容量依存性を示し、細胞への安全性も確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝性網膜疾患である網膜色素変性(RP)は現在のところ治療法のない難病で治療開発が急務である。タンパク質のできないナンセンス変異(premature termination codon; PTC)は遺伝性疾患の20%を占め、RPにおいても重要な病因となっている。現在までに80を超える多くの遺伝子がRPの原因遺伝子となることが知られており、それらすべての遺伝子に対する治療をそれぞれに開発することは現実的でない。本研究では汎用性の高いRP治療開発に貢献するため、原因遺伝子に関係なくPTCナンセンス変異を治療ターゲットとする薬物治療の可能性を探求し、リードスルー治療候補薬を得ることができた。
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