研究課題/領域番号 |
19K09988
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
兼子 裕規 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (20647458)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | シリコーンオイル / 炎症性サイトカイン / 電解質 / 光障害 / 網膜フェロトーシス / シリコーンオイル下液 / FeRhoNox-1 / 鉄 / iron / 4-HNE / 網膜 / サイトカイン / 酸素飽和度 |
研究開始時の研究の概要 |
近年になり原因不明のSO関連視力低下(SORVL)という概念が再浮上した。私はSORVLの原因として①SO下液中の高濃度炎症性サイトカインによる網膜毒性、②SO下液中の電解質異常、③SO充填眼に照射される顕微鏡光による光障害、④SO充填眼の網膜酸素飽和度異常、のいずれかが関与していると仮説を立てた。本研究では、SO下液のサイトカイン・電解質測定やSO充填眼におけるSO充填率と光の集光、SO抜去眼の網膜血管変化などを科学的に検証し、SORVLの本当の原因を明らかにするとともに、その解決策を学会等で広く報告し、医師・患者双方にとって不幸なSORVLを未然に防ぎたい。
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研究成果の概要 |
シリコーンオイル(SO)は網膜硝子体手術の充填剤として長らく使用されてきたが、近年になり原因不明のSO関連視力低下(SORVL)という概念が再浮上した。私はSORVLの原因として①SO下液中の高濃度炎症性サイトカインによる網膜毒性、②SO下液中の電解質異常、③SO充填眼に照射される顕微鏡光による光障害、④SO充填眼の網膜酸素飽和度異常、のいずれかが関与していると仮説を立てた。本研究では、SO下液中の電解質においてFeのみが有意に低下していること、網膜がFeを硝子体液から取り込み、Fe関連細胞死(フェロトーシス)を生じているという科学的証拠総合的に確認することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では、SOに伴う原因不明の視力低下(SORVL)症例に対し、その原因を科学的に検証した。この科学現象が起きる条件を今後発見できれば、SORVLを発生させない新規素材の開発や手術室での環境変更を提唱することでSORVLという現象を防ぐことが可能となる。残る課題としてSOの酸素透過性が非常に硬いことによる網膜への影響を分析することが挙げられ、これには現存するOxymap等の機械を使用することが計画される。さらに、網膜がSO自体を「異物」と誤認することによってフェロトーシスが生じている可能性も十分考えられ、SOだけでなく感染性疾患における網膜障害の治療につながる可能性も残っている。
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