研究課題/領域番号 |
19K09998
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
森 圭介 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (90251090)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 黄斑円孔 / 網羅的遺伝子解析 / 光干渉断層計 / 後部硝子体剥離 / 細胞接着因子 / 硝子体皮質 / 遺伝子発現量解析 / 網膜硝子体界面 |
研究開始時の研究の概要 |
黄斑円孔は視力をつかさどる黄斑部に孔が開いてしまう疾患であり、急激な視力低下を来す。比較的頻度の高い疾患で、手術で治療可能であるが、病態により視力回復が悪い場合が多々存在する。この疾患の発症原因は、4半世紀以上もの間、硝子体皮質の接線方向の収縮により起こるとされてきた。一方、研究代表者らは詳細な臨床的観察によりこの定説を覆し、MHの硝子体皮質は緩んで皺壁を形成し、眼球運動により変形することを証明した。現時点まで、この疾患の発症原因について、分子生物学的な解析は行われいない。このため、本研究では本疾患の原因遺伝子の特定とPrimaryな遺伝子発現量の変化を検討する。
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研究成果の概要 |
研究代表者らは臨床的観察により、性ホルモンや細胞接着因子等が、網膜の脆弱性や網膜硝子体間の接着異常を引き起こしている可能性を考え、黄斑円孔(MH)の網羅的遺伝子発現解析(GWAS) を開始した。その結果、現時点では240例とPreliminaryだが、5番染色体にある細胞接着因子およびその関連領域に10e-7レベルでの関連が示された)。ゲノムワイド有意水準には達していないPreliminaryなデータで、かつ未発表のため、ここに具体的な感受性遺伝子を記載することはできないが、症例数が少ない割にはP値は高いと考えられる。今後、少なくともCase 500例を集めていく予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MHは発病した時点で、視力に直接影響のある黄斑部網膜が硝子体の牽引により欠損してしまう疾患であり、急激な視力低下を伴う。唯一認められている治療法は硝子体手術で、それにより円孔を閉鎖することはできるが、欠損した網膜は神経組織のため再生せず、グリア組織で置き換えられる。そのため、白内障手術のような劇的な視力の改善は得られにくく、特に発症後時間が経過したものの視力予後は不良である。MHの原因遺伝子や分子生物学的機序が特定できれば、疾患概念が大きく変わるのは言うまでもなく、当該研究によりMHに対する分子創薬や個別化医療への新しい道が開かれる可能性がある。
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