研究課題/領域番号 |
19K10003
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
平田 憲 久留米大学, 医学部, 客員教授 (60295144)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 近視 / FIB/SEM / 水晶体嚢 / 実験近視 / 脈絡膜 / 非血管性平滑筋 / FIB/SE / 強膜 |
研究開始時の研究の概要 |
病的近視に伴う視機能障害は、世界中、とりわけ東アジアにおける成人の失明の主因である。 近視の動物モデルは近視の病態理解と治療法の開発におけるtoolとなっている。
脈絡膜の非血管性平滑筋細胞 (NVSMCs) は脈絡膜厚の変化に関わると考えられるが、その三次元構造については不明な点が多く、近視発生における関与も明らかではない。 本研究では、①正常組織のNVSMCsとlacunaeの構造、②実験近視におけるNVSMCsの構造変化③種々の薬剤によるNVSMCsへの影響、を明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
ヒヨコ眼の実験近視の構造を観察し、近視のメカニズムを明らかにすること、水晶体嚢の形態異常を解析することを目的とし、実験近視の免疫染色、SEMによる構造解析、白内障患者の水晶体嚢の構造を解析した。ヒヨコ眼球の透明化処理により、脈絡膜組織の解析が可能となった。FIB/SEMを用いた解析では、脈絡膜毛細血管板やlacunaeの構造が明らかになったが、近視発生の原因となる構造変化は同定できなかった。水晶体嚢の解析では若年者の水晶体嚢は均一な構造であったが、高齢者群ではラメラ構造が多く観察され、ラメラ構造の出現は加齢に関連していた。これにより、白内障手術後の晩期合併症に関する新たな知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究期間では、実験近視を用いた構造解析を試みた。手法として、眼球組織の透明化による脈絡膜全層の構造解析が可能となることが明らかとなった。この手法はこれまでメラニン色素に覆われ困難であった組織の解析法として有用である。 一方で、構造解析による明らかな近視発生のメカニズムは解析困難であった。特に近視発生早期の構造変化は脈絡膜の肥厚という特徴的な変化はあるものの、構造上の差異は乏しいということであり、おそらく、血流変化など生理的な変化が先行するものであると考えられた。 水晶体嚢の解析は加齢により、明らかに水晶体嚢の構造が加齢によって脆弱化することを明らかにした初の報告であり、今後さらなる検討を要する。
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