研究課題/領域番号 |
19K10007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
齊藤 晋 京都大学, 医学研究科, 准教授 (00450239)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | イメージング / コラーゲン / 弾性線維 / 皮膚 / ヒト / 三次元 / 結合組織 / コラーゲン線維 / 幾何学的構造 / 多光子顕微鏡 / 組織透明化 / 定量的解析 / 二軸伸展 / 高次構造 / 変形 |
研究開始時の研究の概要 |
皮膚の柔軟性のおかげで、ヒトは自由に関節を動かすことができる。皮膚は表皮と真皮で構成され、真皮では無数のコラーゲン線維や弾性線維が複雑にからみあっている。線維性臓器の柔軟性は個々の線維の変形と線維が集合して作る大きな構造の変形の両方から生まれる。これまで個々の線維の変形を観察した研究はなく、コラーゲンと弾性線維がどのように相互作用するかは不明である。またコラーゲン線維網の構造に規則性があるのかどうかの結論はでていない。本研究ではこれらの課題を解決するため新しい顕微鏡観察法を開発する。
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研究成果の概要 |
真皮はゼリー状の基質と線維から構成される。線維成分は主にコラーゲン線維と弾性線維であり、コラーゲン線維は皮膚に強さを、弾性先生は皮膚に伸び縮みを与えている。これまで研究代表者は真皮を全方向に伸展する方法と組織を透明化する方法で真皮を処理し多光子顕微鏡で観察することにより、コラーゲン線維と弾性線維の三次元的構造を可視化した。本研究プロジェクトでは、これまで開発した研究手法を用いてヒト真皮の変形を可視化することに成功した。ヒト真皮に一方向と全方向に伸展ストレスを与え、得られた画像データから各層の線維配向を解析し、組織全体の線維配向の変化を可視化することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
体がスムーズに動くためには、皮膚がしなやかに伸び縮みしなければならない。この伸び縮みは真皮のコラーゲン線維や弾性線維が関与している。この健常な柔軟性は疾患や外傷で失われる。例えば、エーラス・ダンロス症候群では皮膚に異常な弾性が生じる。外傷後や熱傷後に瘢痕ケロイドが生じれば、皮膚は伸びなくなり、外傷に対して脆弱となる。人工真皮を用いて再生した皮膚は弾性が乏しく、健常な皮膚が再生できたとは言えない。つまり、真皮の伸展機構を明らかにすることは、疾病学、創傷治癒学、再生医学において極めて重要である。
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