研究課題/領域番号 |
19K10017
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
赤坂 喜清 東邦大学, 医学部, 教授 (60202511)
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研究分担者 |
藤澤 千恵 東邦大学, 医学部, 講師 (10393000)
大西 清 東邦大学, 医学部, 名誉教授 (30194228)
中道 美保 東邦大学, 医学部, 助教 (70804178)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 皮膚 / 瘢痕 / microRNA / 線維芽細胞 / bFGF / PDGFα / 脂肪組織 / 創傷治癒 / PDGFRα / Exosome / 筋線維芽細胞 / 間葉系幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
最近申請者らがbFGF投与線維芽細胞のマイクロアレイ解析で探索したmiRNA146bは、標的Platelet derived growth factor receptor α(PDGFRα)の発現抑制からCollagen産生を低下させ培養細胞レベルで線維化抑制能を示す。今回miRNA146bの瘢痕抑制能を生体内で実証するため、miRNA146bノックアウトラットでmiRNA146b欠失による瘢痕形成促進能の証明とPDGFRα陽性の間葉性幹細胞の増殖促進能を検討する。最終的にmiRNA146bによる瘢痕抑制能をin vivoで実証し、その包括的な制御におけるmiR146bの関与を解明する。
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研究成果の概要 |
bFGFによる皮膚瘢痕抑制にmicroRNA (miRNA)の関与を想定し、bFGF投与の線維芽細胞の網羅的解析からラットmiRNA146b-5pを選定した。miRNA146b-5はラットPDGFRαを標的化してPDGFRαの発現を抑制する。ラット皮膚潰瘍にmiRNA146b-5投与すると創部の瘢痕面積が減少した。さらにCD81陽性のExosomeを介してmiRNA146b-5を取り込んだ脂肪組織の線維芽細胞が標的細胞であることが判明した。この過程でmiRNA146b-5は脂肪組織細胞のPDGFRαの発現抑制し、その線維化能を低下させることで瘢痕を抑制していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々はラットの実験系を用いて皮膚傷痕の瘢痕を小さくするmicroRNA146b-5pを世界で初めて明らかにしました。皮膚の傷口は目立たない瘢痕になりますが、ケロイドや肥厚性瘢痕では逆に瘢痕が大きくなります。本研究ではmicroRNA146b-5pによりラット皮膚傷痕の瘢痕が小さくなる新知見を明らかにしました。本研究の成果は、microRNA146b-5pが皮膚の傷痕における瘢痕線維化の抑制メカニズムを解明するのみならず、microRNA146b-5pを直接投与することで傷害臓器で生じる線維化を抑制して線維化臓器における機能不全の予防につながることが期待されます。
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