研究課題/領域番号 |
19K10018
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
副島 一孝 日本大学, 医学部, 教授 (00246589)
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研究分担者 |
三角 浩司 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (00442682)
松本 太郎 日本大学, 医学部, 教授 (50366580)
樫村 勉 日本大学, 医学部, 准教授 (20570740)
仲沢 弘明 日本大学, 医学部, 教授 (60180270)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 脱分化脂肪細胞 / 人工真皮 / 血管新生 / 真皮様組織 / 培養表皮 / 基底膜 / 培養表示 / 基底膜構築 / 自家培養表皮 |
研究開始時の研究の概要 |
広範囲重症熱傷患者の治療において、人工真皮と自家培養表皮移植による皮膚再建法の確立が望まれている。われわれは、人工真皮移植時に自家脱分化脂肪細胞(DFAT)を併用すると、自家培養表皮移植後の基底膜構築が促進されることを明らかにしてきた。しかし、広範囲重症熱傷患者治療の実臨床では、自家DFATの調整に要する2週間待機することが困難なことが多い。そこで、今回の研究では予め大量に調整して凍結保存が可能な同種DFATによる基底膜構築促進効果を検討する。また、臨床研究の前段階として、免疫不全大動物実験モデルでヒトDFATを用いて基底膜構築促進効果の再現性も検証し、移植安全性につても検討する予定である。
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研究成果の概要 |
先行実験で、ラットを用いた人工真皮移植実験モデルで、人工真皮移植時にDFATを投与すると人工真皮内への血管新生および真皮様組織構築が著明に促進されることを明らかにした。本研究では、ヒトDFATで同様の効果を再現できるかどうかについて検証することを目的とした。免疫不全マウスを用いた人工真皮移植実験により検証した。免疫不全マウス(SCIDマウス)の背部の皮膚欠損に人工真皮を移植する際に対照群とヒトDFAT治療群を作製し、移植後経時的に検討した。その結果、ヒトDFAT投与により血管新生およ び基底膜構築が著明に促進され、更に移植されたヒトDFATの血管内皮細胞への分化を示唆するデータが得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DFATは脂肪組織から単離した成熟脂肪細胞を脱分化させることにより高い増殖能と間葉系幹細胞(MSC)と同等の多分化能を示すいわゆる人工MSCともいえる細胞群である。DFATを用いることの優位性は少量の成熟脂肪組織から純粋な細胞群を短期間に多量に調整することが可能な点である。今回の研究ではヒトDFATを用いた実験により再現性および移植安全性を検証して臨床応用への基礎データとするとともに、DFATの作用機序についても更に詳細な検討を加えた。その結果、ヒトDFATにより先行実験を同等の効果が再現され、また、DFATが血管内皮細胞に分化して血管新生に寄与していることが示された。
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