研究課題/領域番号 |
19K10019
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
高田 弘弥 日本医科大学, 医学部, 教授 (30824833)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | メカノバイオロジー / ATP-Ca2+シグナリング / 振動圧刺激 / ヒト喉頭癌細胞 / K+チャネル開口 / 頭頸部癌 / 細胞外ATP放出 / 細胞内カルシウム流入 |
研究開始時の研究の概要 |
発声、呼吸や摂食などの機能を司り、声帯振動、伸展や圧縮などの物理的刺激に常に曝されている喉頭部領域に着目して、物理的刺激に対する細胞内ATP-カルシウムシグナリング応答機構を測定し、メカニカルストレスによる喉頭疾患、とくにがんの進展との関係を解析することが目的である。さらに、それを阻止する新たな治療戦略の可能性についても検討する。 本研究では、体内で最も大きい振動刺激を受ける頭頸部領域上皮細胞を用いて、これまでほとんど研究例のない頭頸部がんの発症メカニズムの詳細な解析を検討することを特徴とする。
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研究成果の概要 |
空気と食物の通過路である頭頸部領域の粘膜上皮細胞は、発声や摂食によって繰り返して機械刺激が負荷されると、細胞膜や細胞骨格が変形してその内部にメカニカルストレスが生じる。そこで、摂食や発声などの機能を司り、伸展や声帯振動などの機械刺激が日常的に影響を及ぼす頭頸部領域に着目して、機械刺激に対するATP-Ca2+シグナリングの応答を測定し、メカニカルストレスによるがんの進展との関係を解析を検討した。粘膜扁平上皮癌細胞(KB細胞)おいて、ヒスタミンによる一過性のアレルギー刺激で生じる炎症障害(K+チャネル開口抑制)を振動圧刺激によるK+チャネルの活性化によって予防・阻止する治療戦略が推察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頭頸部がんは50歳代から60歳代に診断されることが多く、社会の高齢化に伴って罹患率は増加し、世界では年間約65万人、日本では年間約2万人が発症するとされている。形成外科領域では腫瘍切除と同時に、切除された部分に体の別の部分から皮膚・脂肪・筋肉・骨など(自家組織)を移植して、摂食や発声などの機能を維持できるように再建する。切除するだけでは摂食や発声などに大きな障害が生じ、また術後に顔面に変形が残ることもあり、社会的なハンディキャップを負うばかりか、精神的な障害も引き起こる。日常的な機械刺激が頭頸部がんに与えている影響について、K+チャネルの関与を見出し、治療戦略を示せた意味は大きい。
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