研究課題/領域番号 |
19K10026
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
蛯沢 克己 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20397459)
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研究分担者 |
亀井 譲 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10257678)
福田 淳二 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (80431675)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ヒト毛髪再生 / ヒト毛包原器大量培養 / 毛包再生 / 毛包原器大量培養 / 毛髪再生 / 毛根原器大量培養 / 毛髪再生医療 / ヒト毛包原基大量培養法 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦で薄毛に悩む人口は1,000万人を超えると推定される。その治療法はある程度有効であるものの限界もあり、毛髪再生医療の開発が大いに期待されている。 本研究の研究分担者は、マウス毛包組織から毛包原器を大量に作製し、それらをマウスへ移植し毛髪再生に成功した。しかし、小動物での結果がヒトでの結果を反映しない場合も多く、毛髪再生医療を実現する前に、ヒト組織を利用した手法での評価が必須となる。 本研究では、既にマウスで確立した毛包再生技術を用い、ヒト毛包組織由来細胞より大量の毛包原器を作製・移植を行い、再生した毛包・毛髪が質的・量的に毛髪再生医療の実現化に必要な要求を満たせるか詳細に検討する。
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研究実績の概要 |
引き続き滞っているヒト毛包上皮細胞の培養を行った。ヒト毛包組織からの上皮細胞の初代培養は可能であるが、第2継代あらりから上皮細胞の増殖が悪くなってしまった。臨床では10株の採取で500株ほどが必要と考えるが、現状では遠くおよなない結果となっている。新たな方法を探すべく、2023年10月には日本臨床毛髪学会、2024年3月には日本再生医療学会へ参加したが、ヒト上皮系細胞培養に関する新たな知見は見つけられなかった。 研究分担者の福田は、細胞を懸濁したコラーゲンゲルから、小球を作るデバイスを開発した。マウス皮膚より得た上皮細胞と間葉系細胞をコラーゲンゲルに懸濁し、このデバイスで小球を作成し、3日間非接着培養を行ったところ、小球は縮小し、ヤヌス型を呈した毛包原器となった。従来の細胞のみで毛包原器を作成したものと、本法で作成したヤヌス型毛包原器をマウス背部へ移植したところ、本法で作成した毛包原器の方が発毛が多かった。 さらに福田は、ヒト頭皮化マウス作成を試みた。免疫不全マウス背側皮膚に直径4mmの皮膚欠損を作成し、同部に直径0.5から1mmでパンチされたヒト頭皮微小片を埋め尽くすよう移植、細胞培養インサートにて固定し、1週間後に除去した。 2か月後に移植部位から発毛を確認した。また、再生した毛髪ではキューティクル構造も確認した。7か月後に再構築された皮膚を採取し、ヒト核の免疫染色を行った結果、再構された皮膚がヒト細胞で構成されていることを確認した。これらの結果からマウス背部に毛包を有するヒト頭皮を構築できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
毛髪再生には上皮細胞と間葉系細胞の相互作用が必要である。マウスを利用した実験ではすでに良好な結果を得ているが、人組織の場合、毛包誘導能を持った毛乳頭細胞の大量培養には成功しているが、上皮細胞に関しては未だ良好な結果を得られていないため、実験全体が前に進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
とにかく毛包誘導能を有したヒト上皮細胞の大量培養法開発に注力する。具体的には上皮培養の専門家の助言を仰いだり、培養容器の工夫などを研究分担者の福田ともシスカッションを重ね、なんとか打開したいと考えている。 上皮の培養がうまくいけば、マウス細胞と同等の手法で移植実験を行い、評価をしていく。
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