研究課題/領域番号 |
19K10033
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
白土 タカ子 自治医科大学, 医学部, ポスト・ドクター (50790391)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高機能間葉系幹細胞 / 選択培養 / ヒト脂肪組織由来幹細胞 / 再生医療 / 多能性マーカー遺伝子 / 浮遊培養 / マイクロスフェア / 脂肪由来幹細胞 / Muse細胞 / ヒト脂肪組織 / ヒト皮下脂肪組織 / 難治性潰瘍 / 再生治療 / 血管新生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではヒト脂肪由来幹細胞集団内における高機能間葉系幹細胞を選択的に培養増殖させる新規的な培養法を開発し、糖尿病、閉塞性動脈硬化症(ASO; arteriosclerosis obliterans)、末梢動脈疾患(PAD; peripheral arterial disease)が原因で起こる難治性足病変に対して、その細胞集団を利用した効果的な再生治療を開発するための研究を行う。多能性の高い細胞、すなわち高機能間葉系幹細胞を主軸とし、従来から用いられてきた脂肪由来幹細胞や血管内皮前駆細胞を組み合わせる再生治療は、単に組織幹細胞を用いただけの治療より高い効果をもたらすことが期待できる。
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研究成果の概要 |
ヒト脂肪組織由来幹細胞(hASCs)に培養過程でストレス(高温、低pH、酵素、低浸透圧、メカニカルストレス)を与えることでMuse細胞を含む多能性を保持した高機能間葉系幹細胞を濃縮することができた。また、hASCsをポリスチレンビーズまたはコラーゲンビーズのマイクロスフェアを足場として接着させ、攪拌により微小重力下で培養したところ、静置培養されたhASCsに比べて多能性マーカー遺伝子を発現している細胞が多く見られ、そのような細胞集団は脂肪生成、骨形成、軟骨形成への高い分化能を示すことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脂肪組織中に含まれる脂肪幹細胞は入手のしやすさ、安全性の高さなどから形成外科領域の疾患においても慢性下肢虚血、放射線障害組織、瘢痕拘縮組織、自己免疫性疾患など様々な難治性疾患の質的・機能的改善にその適応が拡大されつつある。脂肪幹細胞は均一な細胞集団ではなく、その中にはわずかながら高度な分化能を示す未分化細胞が含まれており、未分化状態を維持したまま選択的に大量培養することはこれまで困難であった。本研究によりそれが可能になることで、これまで根本的な治療法がなかった糖尿病および糖尿病性腎症などに起因する重症下肢虚血などの治療法の開発につながることが期待される。
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