研究課題/領域番号 |
19K10038
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
下仲 基之 東京理科大学, 理学部第一部化学科, 教授 (30277272)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 創傷治癒 / エクソソーム / 灌流培養 / 血管内皮細胞 / 線維芽細胞 / 内皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
創傷治癒過程の制御は,細胞外マトリックスや血液中の有形成分および可溶性成分,そして線維芽細胞と血管構成細胞との間の多次元的な相互作用に加え,細胞間コミュニケーションツールとして最近注目を集めているエクソソームのタンパク質やmiRNAによるタンパク質発現制御などが極めて重要な役割を担っていると考えられる。本研究では,創傷治癒過程の制御におけるエクソソームの重要性を,線維芽細胞の3D培養系に血管内皮細胞の灌流培養系を組み合わせたex vivoの創傷治癒モデル系を用いて解明していく。
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研究成果の概要 |
生体内に近い条件下で創傷治癒機構の解析を行うため,血管内皮細胞と線維芽細胞を用いた灌流培養モデル系を確立した。この系を用いて血管損傷修復に対するエクソソームの作用を検討したところ,いずれの細胞由来のエクソソームも損傷修復を促進することを明らかにした。さらに損傷を受けた血管内皮細胞由来のエクソソームは正常な内皮細胞由来のエクソソームより損傷修復を遅らせることから,エクソソームが分泌細胞の状況に応じて損傷修復過程を制御していることがわかった。また,プラスミノーゲンは血管内皮細胞の増殖と遊走を促進し,エクソソームは遊走の方向性を制御することで協調的に損傷修復を促していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血管内皮細胞と線維芽細胞による灌流培養系を確立し,エクソソームによる創傷治癒過程の制御機構を解析した。この結果は,正常細胞が分泌するエクソソームの新たな役割を提示するとともに,血漿成分とエクソソームとの協調作用が損傷修復に重要な役割を担っていることを示すものである。これら因子についての詳細をさらに検討し臨床レベルの研究に応用することにより,外科的治療を受けている全ての患者に大いなる利益をもたらす「瘢痕なき治癒」へ向けた第一歩になることが期待される。
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