研究課題/領域番号 |
19K10047
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
山中 淳之 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (80343367)
|
研究分担者 |
中富 満城 産業医科大学, 産業保健学部, 准教授 (10571771)
大峡 淳 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40266169)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 歯 / 哺乳類 / トガリネズミ / 発生 / 進化 / 反復 / 遺伝子発現 / 歯の発生 / マウス / Shh / Fgf4 / アクトミオシン / 形態形成 / アクトミオシン細胞骨格 / 歯胚上皮 / Shhシグナリング / 上皮 / 器官培養 / コンディショナルKOマウス |
研究開始時の研究の概要 |
歯の形成不全の要因の一つは、遺伝子の変異による歯の発生初期の異常もしくは停止である。しかし、原因となる遺伝子の働きにより、歯胚(歯の原基)を構成する細胞がどのような挙動を示し、歯の発生が進行するのかはほとんど分かっていない。申請者らはこれまでに、歯胚を構成する細胞の細胞骨格を壊すと細胞の移動や配置が乱れ、歯の発生が正常に進行しないことを発見したので、次に、この細胞骨格の働きを調節する上流のシグナルは何かを探ろうと考えた。本研究により、シグナルがもたらす細胞の移動や再配置を介した歯の発生の制御機構が明らかになれば、歯の形成不全のメカニズム解明への大きな一歩となる。
|
研究成果の概要 |
進化(系統発生)の観点からは、哺乳類のトリボスフェニック型臼歯(多咬頭の臼歯の原型)は、爬虫類の単咬頭の円錐歯に由来するものである。発生(個体発生)の観点からは、哺乳類の臼歯は、シグナリングセンターであるエナメル結節が付加されることにより、歯胚上皮と間葉の境界が複雑な形状になり形成される。本研究では、トリボスフェニック型臼歯からの派生が小さいトガリネズミ (Suncus murinus) の臼歯を使って、発生過程におけるエナメル結節の形成位置と順番を詳細に追跡した。トガリネズミの臼歯の発生過程は、中生代哺乳類のトリボスフェニック型臼歯の進化過程を再現するように進行することが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
進化的観点からは、多咬頭の臼歯は、単咬頭の円錐歯に咬頭が付加されることで長い地質学的時間をかけて進化してきた。一方、発生的観点からは、胎生期の数日の間に、エナメル結節が次々に形成されることで、その位置に咬頭が形成され、多咬頭歯が完成する。発生過程(個体発生)が、進化過程(系統発生)を反復するのか否か、は進化生物学における大きな未解決問題である。本研究は、現生哺乳類の臼歯の発生過程が、化石哺乳類の臼歯の進化過程を反復するように進行することを明らかにしただけでなく、その並行性を生み出すメカニズムに関する示唆を与える。
|