研究課題/領域番号 |
19K10054
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高 靖 九州大学, 歯学研究院, 助教 (40585882)
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研究分担者 |
藤井 慎介 九州大学, 歯学研究院, 講師 (60452786)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 顎下腺 / 顆粒性導管 / AR signaling / 唾液腺 / ARシグナル / p130Cas / 上皮細胞極性 / p130cas / 発生 |
研究開始時の研究の概要 |
唾液の正常な分泌は口腔の組織と機能だけでなく、全身の健康維持に寄与する。唾液腺や腎臓などの上皮管腔組織の発生には「細胞の極性化」が重要である。我々はこれまでにアダプタータンパク質であるp130Casが破骨細胞が骨吸収面に波状縁を形成する際の極性化に必須であることを報告した。さらにデータベース検索で唾液腺と腎臓でp130Casの発現が高いことから、上皮管腔組織の形成と機能発現にp130Casが重要な役割を担うのではないかとを考えた。本研究では、我々が独自に作製した上皮組織特異的p130Cas欠損マウスを用いて、唾液腺の上皮管腔組織の形態形成・ 分化におけるp130Casの役割を検討する。
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研究成果の概要 |
我々は上皮組織特異的p130Cas欠損マウスを用いて、唾液腺におけるp130Casの生理的役割を解明することを目指した。p130Cas欠損マウスの顎下腺における顆粒性導管(GCT)の未熟な発達が示され、更にGCT細胞で核局在アンドロゲン受容体(AR)が特異的に減少することが示された。ARシグナルの標的遺伝子の発現量がp130Cas欠損マウスで顕著に減り、ARシグナルが抑制されたことが分かった。以上の結果より、p130CasがARシグナル伝達を調節することにより、アンドロゲン依存性顎下腺GCTの発達に重要な役割を果たすことを示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
唾液の正常な分泌は口腔の組織と機能だけでなく、全身の健康維持に寄与する。唾液分泌の減少は、舌、口腔粘膜を乾燥させ、咀嚼、嚥下、発音や味覚に障害を生じる。現在、口腔乾燥症に対する治療法は根本的なものがなく、組織再生療法など新しい治療法の開発が望まれる。私たちの結果は、唾液腺の発達に関する新たな洞察を提供し、機能低下した唾液腺の回復を促進する治療戦略の提案につながる。さらに、p130Cas はほかの疾患における性差の制御に関連し、p130Cas 関連シグナル伝達は創薬の新たな標的として機能する可能性がある。
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