研究課題/領域番号 |
19K10062
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
梶原 景正 東海大学, 医学部, 客員講師 (00204397)
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研究分担者 |
木村 穣 東海大学, 総合医学研究所, 特任教授 (10146706)
内堀 雅博 東海大学, 医学部, 助教 (50749273)
太田 嘉英 東海大学, 医学部, 教授 (60233152)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 22q11.2欠失症候群 / DGCR2 / Sez12 / Df1 / GFPノックイン / 肥大軟骨細胞 / 頭蓋底軟骨結合 / TGF-betaシグナル / DGCR2遺伝子 / ノックアウトマウス / GFPノックインマウス / TGF-beta / Df1マウス / GFP / Tbx1 / Dgcr2 |
研究開始時の研究の概要 |
DGCR2は22q11.2欠失症候群のゲノム欠失領域に位置する遺伝子である。そのマウス相同遺伝子Sez12のノックアウトマウスは22q11.2欠失症候群と類似した顎顔面異常を示し、軟骨細胞の成長不良で頭蓋底軟骨結合が早期に消失する。Sez12ノックアウト軟骨細胞ではTGF-betaシグナルが亢進し、Sez12による TGF-betaシグナル制御が予想された。そこでSez12欠失による各種増殖分化シグナルの変化を軟骨細胞・マウス個体で検討する。またDGCR2多型の変異をヒト培養細胞で再現し、TGF-betaシグナルへの影響を検討し、DGCR2変異と顎顔面骨格成長との関連性を追求する。
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研究成果の概要 |
ヒト22q11.2ゲノム領域にコードされるDGCR2の遺伝子機能と22q11.2欠失症候群との関連性を検討するため、マウスホモログSez12遺伝子ノックアウト/GFP遺伝子ノックインマウスを作成し、ヒト22q11.2のマウス相同領域がヘテロ型に欠失するDf1変異マウス(ただしSez12は欠失してない)と交配させ、ダブルヘテロ変異マウスを作成した。この変異マウスは頭蓋底の骨格低成長による顎顔面異常を示し、ダブルヘテロマウス由来の初代軟骨細胞は、TGF-betaによる肥大軟骨細胞への分化抑制が顕著であった。以上の結果から、DGCR2遺伝子が関与する本疾患発症メカニズムが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ヒト染色体22番長腕11.2領域の欠失により引き起こされる顔貌異常の発症メカニズム解明のため、欠失ゲノム領域の遺伝子機能を検討し、22q11.2欠失症候群の顔貌骨格異常の根本的治療の基盤となった。本研究で解析されたDGCR2遺伝子は、22q11.2欠失領域のいくつかの遺伝子と協調して頭蓋底の軟骨内骨化に寄与している。特記すべきことは、DGCR2欠失マウスが生後若齢で顔貌異常を認めることである。つまり、本疾患のみならず、他の原因による顔面骨格異常であっても、DGCR2を標的とした出生後の活性調節治療で症状が改善できる可能性が示唆され、外科治療に依存しない出生後治療に期待がもてる。
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