研究課題/領域番号 |
19K10066
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐伯 歩 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (70638345)
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研究分担者 |
柴田 健一郎 北海道大学, 歯学研究院, 名誉教授 (50145265)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | インフラマソーム / IL-1β / ジアシルリポペプチドFSL-1 / gasdermin D / pyroptosome / IL-1β細胞外分泌 |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性サイトカインIL-1βは前駆体として産生され、細胞内センサーであるインフラマソームにより活性化型に変換される。インフラマソームは活性化されるとpyroptosomeと呼ばれる凝集塊を1個の細胞に1個形成する。通常、活性化型IL-1βはpyroptosisと呼ばれる細胞死で細胞外に分泌され、pyroptosomeも同時に放出される。我々はジアシルリポペプチドがマクロファージにpyroptosomeを誘導するが、細胞死を誘導せずにIL-1β分泌を誘導することを明らかにした。本研究ではpyroptosomeによる炎症増幅機構ならびに細胞死によらないIL-1β分泌機構を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
IL-1βは細胞内センサーであるインフラマソームにより活性化され、多くの場合、caspase-1依存的なネクローシス様の細胞死であるピロプトーシスにより細胞外へ放出される。我々はこれまで、Mycoplasma salivariumならびにMycoplasma pneumoniaeのNLRP3インフラマソーム活性化物質の一つであるリポタンパク質 /リポペプチドがマウスマクロファージにピロプトーシスを誘導せず、IL-1βの細胞外分泌を誘導することを明らかにした。本研究では、リポペプチドFSL-1がどのような機構で生きたマクロファージにIL-1β分泌を誘導するのかを明らかにすることを目的とした。近年、caspase-1により活性化されたgasdermin DのN末端領域が細胞膜に小孔を形成し、ピロプトーシスが誘導されること、さらに、生細胞からもgasdermin D小孔を介してIL-1βが分泌されることが報告されたことから、まずはgasdermin Dの関与を検証した。FSL-1はC57BL/6マウスより採取した骨髄由来マクロファージにIL-1βの産生を誘導し、本活性はgasdermin Dのノックアウトにより阻害されなかった。さらに本活性は、細胞膜透過性の阻害剤であるpunicalaginにより有意に阻害された。また、punicalaginはFSL-1の細胞質への局在を阻害しなかった。以上のことより、FSL-1により誘導される生きたマクロファージからのIL-1β細胞外分泌は、gasdermin D小孔によるものではなく、細胞膜透過性が関与していることが示唆された。本研究課題により、未だ不明な点が多く残されているインフラマソームによる炎症制御機構の新たな一面が明らかとなり、炎症性疾患の新規診断法や予防・治療法開発に寄与することが期待できる。
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