研究課題/領域番号 |
19K10070
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 淳 大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (70335660)
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研究分担者 |
阿部 真土 大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (40448105)
三浦 治郎 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (70437383)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 力学的負荷 / 骨 / 石灰化 / 石灰化物形成 / Dmp1 / 負荷 |
研究開始時の研究の概要 |
Dentin matrix protein 1は、骨細胞特異的な骨基質蛋白質で、我々のこれまでの研究から、力学的負荷が減少したラットでは、血清Dmp1値が有意に低下することを明らかにしており、骨細胞は生体に加えられた力学的負荷に反応してDmp1の発現を調節することで、Dmp1を介して骨組織の恒常性を維持する機能を担っているのではないかと考えている。 本研究では、Dmp1発現欠損骨芽細胞株を用いて、Dmp1発現の有無により力学的負荷に対する反応の変化を検討するとともに、実験動物を利用し、力学的負荷に対して骨細胞がDmp1を介して骨組織の恒常性維持に果たしている機能を明らかにしたいと考えている。
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研究成果の概要 |
三次元コラーゲンゲル培養条件下で、Dmp1発現低下MC3T3(Dmp1(-)MC3T3細胞)に力学的負荷装置で100 kPa、2週間の力学的負荷を与えると、コントロール群と比較して好酸性の細胞外基質の産生が増加していた。さらにコントロール細胞では、力学的負荷により石灰化能が上昇する一方で、Dmp1(-)MC3T3細胞では、力学的負荷の影響は見られなかったが、Dmp1ペプチドともにDmp1(-)MC3T3細胞に力学的負荷を付与すると石灰化能の上昇が見られた。 本研究から、力学的負荷がDmp1を介して石灰化物形成能を上昇させ、細胞や骨組織の恒常性を維持する機能を担っている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯科臨床では、力学的負荷に対する骨組織の恒常性維持は重要な問題の一つであり、例えば、矯正治療で歯牙を移動させる際に異常な力が与えられ、歯槽骨の形成と吸収のバランスが崩れ、骨組織の恒常性維持が保てなくなると適切な歯牙移動が出来なくなる。また、義歯やインプラント治療を行う場合にも、歯槽骨に異常な力学的負荷が加わり、骨組織の恒常性維持が出来なくなってしまうと、骨吸収を招き、義歯やインプラントの適切な維持が出来なくなってしまう。Dmp1が力学的負荷に反応して骨組織の恒常性を維持している可能性が示されたことで、基礎研究のみならず、臨床治療へのDmp1の応用可能性が示される意義があった。
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