研究課題/領域番号 |
19K10071
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
根本 優子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (10164667)
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研究分担者 |
根本 孝幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (90164665)
下山 佑 岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (90453331)
小早川 健 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 技術職員 (10153587)
佐々木 実 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (40187133)
木村 重信 関西女子短期大学, その他部局等, 教授 (10177917)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | DPP4 / DPP7 / ジペプチド / 歯周病原菌 / インクレチン / 糖尿病 / 生理活性ペプチド / Porphyromonas gingivalis / 歯周病菌 / 免疫電顕 / DPP / 歯周病 / アミノ酸取り込み / Pot / 血糖値 / エキソペプチダーゼ / 恒常性 / 細菌 / 血液凝固 |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病原菌は全身疾患のリスクファクターとされ,特に重度歯周炎に関連する‘red complex’菌種であるジンジバリス菌は2型糖尿病,急性冠症候群血栓,慢性関節リウマチの増悪に関与すると考えられている。これまでの研究から,慢性歯周病罹患による炎症状態とこれら疾患との間接的な連関が提起されているが,これを踏まえて,本研究では,私達が発見した歯周病菌が持つペプチド分解酵素(エキソペプチダーゼ)によって,生体の恒常性維持に関与する分子が分解されることを明らかにするものである。本研究成果により,口腔-全身疾患連関のより直接的な分子メカニズムが明らかになる可能性がある。
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研究成果の概要 |
アシルペプチジルオリゴペプチダーゼ(AOP)活性の詳細,ジペプチダーゼAの同定,およびPorphyromonas gingivalisではジペプチドが主に取り込まれ,その取り込みはH+依存性オリゴペプチドトランスポーター(Pot)が担っていることを明らかにした。さらに,歯周病菌DPP4とDPP7はインクレチンを分解不活化し,食後高血糖の上昇と高血糖時間の延長を誘因すること,また,DPP7は広範な基質特異性を有し,種々の生理活性ペプチドを分解することを示した。免疫電子顕微鏡観察から,ペリプラズムで生産されたジペプチドは細胞膜局在のPOTにより取込まれるという一連の空間的配置の存在が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯周病原菌,特に重度歯周炎に関連するP. gingivalisは2型糖尿病,急性冠症候群血栓,慢性関節リウマチのリスクファクターとされている。これらの歯周病-全身疾患連関を説明する機構として,我々はP. gingivalisのジペプチド産生ペプチダーゼ活性の詳細な検討とそれらの機能解明を行い,歯肉縁下プラーク細菌DPP(特にDPP4とDPP7)が血糖維持に関与する生理活性ペプチド等を分解する事を見いだした。本研究の成果は口腔細菌ペプチダーゼによる宿主因子の分解不活化が歯周病-全身疾患連関の分子メカニズムの一端であることを初めて示したものである。
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