研究課題/領域番号 |
19K10075
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
坂東 健二郎 明海大学, 歯学部, 講師 (50347093)
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研究分担者 |
長谷川 紘也 明海大学, 歯学部, 講師 (00635899)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | TREM2 / LPS / TLR4 / macrophage / M1 polarization / chemokine / sTREM2 / RAW264.7 / 筋線維芽細胞 / ケモカイン / マクロファージ / M1マクロファージ / Caldecrin / 炎症性骨破壊 / 破骨細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病などによる炎症性骨破壊では、炎症が進むにつれて、細菌のLPSや炎症性サイトカインにより、破骨細胞の分化・活性化が起こり、不可逆的に歯槽骨が吸収されていく。そこで、破骨細胞を活性化するRANKLのシグナルと炎症を惹起するLPSのシグナルを同時に抑制するという目的で、なるべく発現が破骨前駆細胞とマクロファージに限局している分子として、免疫受容体TREM2に着目した。炎症性骨破壊におけるTREM2の役割を明らかにする事により、炎症を抑えながら、いち早く破骨細胞の活性化を抑制する新しい治療戦略を開発する事が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究は歯周病のような炎症性骨破壊を来す疾患において重要な役割を担っていると考えられる破骨前駆細胞とマクロファージに注目し、これらの細胞に共通して存在する免疫受容体 TREM2 の役割を明らかにする事を目指した。TREM2 はマクロファージのケモカインや炎症性サイトカインの発現を調節し、M1 マクロファージへの分極を促していた。また、破骨細胞抑制因子である Caldecrin の受容に関わっている事も明らかになった。そして、細胞外に分泌された TREM2 がなんらかの生理作用を有している可能性がある事が判明した。これらの結果は TREM2 が炎症性骨吸収のキーファクターである事を物語っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯周病は歯肉の炎症と歯槽骨の破壊が起きる病気です。炎症と骨吸収の両方に深く関わっているのがマクロファージと破骨細胞です。この2つの細胞は共通の細胞から分化します。我々が注目したのはこの2つの細胞に共通して存在する TREM2 という免疫受容体です。この研究により、TREM2 は炎症を促進する作用と抑制する作用の両方があり、M1 マクロファージと言う炎症性のマクロファージに変化するのを進める作用がある事がわかりました。また、TREM2 の遺伝子をノックアウトした細胞は骨を壊す破骨細胞に変化しませんでした。今後、この TREM2 をターゲットとした歯周病治療法が開発されていく事が期待されます。
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