研究課題/領域番号 |
19K10079
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
大橋 晶子 日本大学, 歯学部, 助教 (00571019)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | テトラヒドロビオプテリン / 血管障害 / 酸化ストレス / 一酸化窒素合成酵素 / TRPチャネル / 浸透圧 / 輸送体 / 一酸化窒素 / 活性酸素 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病性の血管障害は一酸化窒素合成酵素(eNOS)の機能不全を主因とする。eNOS機能不全のは内因性の補因子テトラヒドロビオプテリン(BH4)が酸化型のBH2に置き換わることによる。これに対してBH4の投与が試みられているが,BH4投与ではBH4の酸化によるBH2の増加が伴うため,実用化できていない。申請者らは,BH4投与時のBH4酸化が細胞外で起こる自動酸化ではなく,組織・細胞で酵素的に起こることを観察した。BH4の細胞への流入の制御により,BH4の過剰な酸化を抑制できると考え,本研究では,細胞内へのBH4の取り込みを担う『輸送体』を同定し,同時にその特異的阻害剤を探索する。
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研究成果の概要 |
eNOSの機能不全に起因する血管障害に対して,eNOS反応を調節するテトラヒドロビオプテリン(BH4)の補充が効果的であるが,ヒト臨床試験では十分な結果が得られていない。その原因がBH4の酸化とBH4補充効率の悪さであることに着目した。本研究では,BH4の酸化が自動酸化ではなく,細胞や組織において酵素的に起こること,およびこのBH4酸化ににNADPHオキシダーゼが関与することを示した。他方,BH4補充効率を決定する輸送体が浸透圧の影響を受けることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病の主な合併症は細小血管症 (腎症,網膜症,神経障害),大血管症(脳梗塞,心筋梗塞)である。これら血管症に次ぐ合併症として歯周病が注目されている。歯周病と糖尿病は相互に負の影響を与えるため,糖尿病患者において有意に悪化するだけでなく,歯周病が糖尿病の合併症(腎症,心疾患)を悪化させる。本研究成果は,BH4の酸化とBH4補充効率を改善する一助であり,歯周病ならびに糖尿病の合併症の有効な治療によって,多くの患者の生活の質の維持と健康寿命の延長への貢献が期待できる。
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