研究課題/領域番号 |
19K10086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
久郷 裕之 鳥取大学, 医学部, 教授 (40225131)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | TERT / 染色体 / 人工染色体上 / がん / 口腔扁平上皮がん / hTERT / 人工染色体 / がん抑制遺伝子 / 染色体工学 / ゲノムライティング |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト3番染色体短腕領域には、複数のヒトがんに関わる多数の遺伝子座が含まれ、テロメラーゼ制御遺伝子の存在も示唆された。申請者は、3p21領域内に9つのテロメラーゼ制御候補遺伝子の存在を明らかにした。本研究では、1) 責任遺伝子の同定および 2) 複数の候補遺伝子を一つのテロメラーゼ制御遺伝子群(制御クラスター)として捉え、人工染色体を用いたゲノム合成(ライティング)による遺伝子群の機能解析を通して、遺伝子および染色体ゲノムドメインレベルにおける両側面から分子動態・シグナル伝達機構の統合的な機能解析による新しい切り口から口腔がん発生機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、ヒト3番染色体上にコードされるTERT抑制遺伝子の同定および染色体工学技術を用いたゲノムレベルでのTERT抑制機構の可能性を追求した。染色体工学的手法により3p21.3領域を保持する人工染色体の構築に成功し、さらにそれらがTERT発現を抑制することを明らかにした。以上の結果から、3p21.3領域には少なくとも1つTERT抑制遺伝子が存在することを明らかにした。 さらに3p21.3領域上の候補遺伝子である遺伝子A及び遺伝子Bについては、ノックダウンと過剰発現の実験結果から、これらの遺伝子が3番染色体上のTERT抑制に関わる責任遺伝子であることが強く示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果により、腎がんや口腔扁平上皮がんにおける3p21.3領域のヘテロ接合性の消失(LOH)が高頻度に認められることの背景にある生物学的意義として、TERT抑制遺伝子の喪失という新たな可能性を示すことができた。また、TERT遺伝子は、細胞に不死化能を与えるテロメレース活性を制御する機能をもち、がん細胞の特異的なマーカーとして着目され、分子標的薬のターゲットとして注目されている。したがって、本研究から得られた新規のTERT抑制遺伝子に関する知見は、これまでにないアプローチからのTERT抑制経路の発見につながる可能性をもち、TERTを標的とした抗がん剤の開発に向けた道を拓く成果と考えられる。
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