研究課題/領域番号 |
19K10089
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
向下 寿子 (古庄寿子) 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (00634461)
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研究分担者 |
宮内 睦美 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (50169265)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | P.gingivalis / 歯性感染 / 早期出産 / TLR2 / 早産 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでに歯周病原細菌P.g.の歯性感染による早期出産の誘導、Toll like receptor2(TLR2)経路が関わる可能性を報告したが、その機序が明らかでない。本研究で、①P.g.歯性感染時胎盤におけるTLR2発現上昇は、出産関連因子産生促進を介し早産発生関与するか、②TLR2の抑制は歯性感染の誘導する早産を予防できるか、③歯周炎に罹患した妊婦胎盤でTLR2発現上昇と出産関連因子産生増加がみられるか、研究を進めることで、P.g.歯性感染が誘導する早産におけるTLR2の役割を解明し、早産予防にTLR2を標的とした新たな治療戦略を確立するための基礎的データとする。
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研究成果の概要 |
P.g.歯性感染におけるTLR2経路の重要性を明らかにするために研究を行った。動物実験で、TLR2KOマウスを用いたP.g.歯性感染モデルでは、早産は起きないことを明らかにした。細胞実験で、ヒト胎盤細胞のTLR2経路の阻害により、P.g.-LPS刺激やP.g.感染による出産関連因子の発現が抑制されることを示した。実際の妊婦患者をP.g.線毛に対する血清抗体価のうち、Type2および4の低値群と高値群に分け、出産後の胎盤で検討した。両群にTLR2発現を認め、高値群では出産関連因子の発現が上昇していた。以上より、P.g.歯性感染により、誘導される早産にTLR2経路は影響することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本では、妊娠中の口腔ケアにより、口腔環境を整え、歯周炎を予防することが早産の発症を抑制につながるとされ、社会的にも周知されつつある。しかしながら、歯周炎により早産が起こる機序やメカニズムについて明らかでないところも未だ多い。本研究において、歯周病原細菌の歯性感染により早産が引き起こされる機序にTLR2経路が関わることが示された。早産を制御するための戦略の一つとして歯科的アプローチを含め、TLR2を標的とした早産の予防・管理法が挙げられる可能性を示すことができた点で、学術的意義は大きい。
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