研究課題/領域番号 |
19K10093
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
|
研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
張 皿 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00326472)
|
研究分担者 |
古株 彰一郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (30448899)
松尾 拡 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (70238971)
森川 和政 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (70514686)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 骨芽細胞 / 味覚受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
Tas1Rファミリー(Tas1r1, Tas1r3, Tas1r3)は味覚受容体として発見されたが、近年、さまざまな組織に発現し、栄養(糖質・アミノ酸)センサーとして機能していることが明らかとなってきた。我々は予備的研究から糖質・アミノ酸センサーに共通するTas1r3が骨芽細胞に発現することを確認し、Tas1r3をノックダウンした骨芽細胞では増殖能と分化能が著明に低下することを確認した。本研究では世界に先駆けて作製した骨芽細胞特異的Tas1r3ノックアウトマウスを用いることで、栄養センサーが担う生理的骨形成、さらには臨床応用を見据えた骨折治癒や骨欠損修復における役割を解析する。
|
研究実績の概要 |
現在、骨粗しょう症に対する治療薬のほとんどは骨吸収抑制剤である。さらに代表的な骨吸収抑制剤であるビスホスホネートの使用により骨のマイクロダメージが引き起こされ、結果として骨折を引き起こすケースや、顎骨壊死の発症に関与することが明らかとなり、新たな骨形成促進薬の開発が急務である。Tas1r3は口腔粘膜の味蕾に発現し、甘味とうま味を受容するGタンパク共益型受容体として発見された。近年このTas1r3が口腔粘膜以外のさまざまな組織に発現し、栄養(糖質・アミノ酸)センサーとして機能していることが明らかになってきた。そこで本研究では骨組織に発現するTas1r3の役割を検討した。 Tas1r3 floxマウスの大腿骨と脛骨の骨髄から骨髄間質細胞(BMSCs)を採取した。Creリコンビナーゼはアデノウイルスを用いて導入した。マウス前骨芽細胞株MC3T3-E1細胞はsiRNAを用いて内在性のTas1r3をノックダウンした。骨芽細胞分化はBMP-4処理やアスコルビン酸およびβ-グリセロリン酸処理で誘導し、ALP活性およびアリザリンレッド染色で評価した。Tas1r3のmRNA量はリアルタイムPCR法で定量した。 BMSCsの骨芽細胞分化に伴いTas1r3のmRNA量が上昇した。CreリコンビナーゼによりTas1r3をノックアウトしたBMSCsではALP活性やアリザリンレッドの染色性が低下した。siRNAを導入してTas1r3をノックダウンしたMC3T3-E1細胞では細胞増殖能やBMP-4で誘導したALP活性が著明低下した。 骨芽細胞局所に発現している栄養センサーが骨形成に必須の役割を果たしている可能性が示唆された。今後、骨芽細胞特異的Tas1r1のノックアウトマウスを用いることで、甘味とうま味受容体の役割を区別していきたい。
|